ジミー・バトラー

レイカーズ戦を前に「意識することはほとんどない」

レイカーズvsヒート、昨シーズンのNBAファイナルの再現を前に、ジミー・バトラーは「意識することはほとんどない」と語っている。「昨シーズンの『バブル』では素晴らしい経験ができたけど、シーズンが変われば違うチームになる。他の試合と同じように、ただ勝ちたいと思う目の前の一試合にすぎない」

もっとも、両者の置かれた状況は異なる。レイカーズは22勝8敗で西カンファレンスの2位につけているが、ヒートは開幕当初から波に乗れず、12勝17敗で東カンファレンスの10位とプレーオフ圏外に位置している。

『ESPN』の番組に出演したバトラーは、「実際にひどい試合をやっているよ。これは僕らがやろうとしているバスケとはほど遠い」と厳しい言葉を語るとともに、チームとしての覚悟をこう語っている。「僕たちは逆境とは何かを知っている。あらゆる面で向上し、みんな一緒に成長していかなければいけない。もしかしたら、そのいくつかの部分を忘れてしまっているのかもね。でも、必ず元に戻ると約束するよ」

チームの精神的支柱であるバトラーも1月に新型コロナウイルスの健康安全プロトコルで約3週間の欠場を余儀なくされた。それでも直近の3試合でトリプル・ダブルを記録しており、コンスタントにプレーすることでリズムを取り戻しつつある。5試合前のロケッツ戦が今シーズン初めてのトリプル・ダブル。その時に感想を聞かれたバトラーは「大事なのはチームが勝つかどうか。トリプル・ダブルをやるために練習しているわけじゃない」と素っ気なく答えている。

それより彼が語りたいのは、チームが少しずつでも成長し、この状況から抜け出そうとしていることだ。

「バム(アデバヨ)はミドルレンジからのシュートを、タイラー(ヒーロー)はプレーメークを、ダンカン(ロビンソン)はピック&ロールを向上させようとしていて、実際に昨シーズンより成長しているよ。大事なのは僕ら全員がチームのために何ができるかを考え、試合を重ねる中で自信を積み重ねていくこと。僕らはそれができると分かっている。ただ前に進めばいいだけさ」

数時間後にレイカーズとの一戦が始まるが、バトラーはこれを大一番とは考えていない。今の段階では、あくまで自分たちが正しい道を進んでいるかどうかに集中している。だが、その姿勢は今の苦境を打破する一番の近道であるはずだ。