文・写真=泉誠一

慈善活動を積極的に行うスター選手の台頭に期待

「がんばるばい熊本」B.LEAGUEチャリティーマッチが、明日8月24日(水)19時より代々木第二体育館で開催される。

今年4月に発生した熊本地震の復興支援を目的とし、熊本ヴォルターズ(B2)の小林慎太郎と中西良太を始め、B1全クラブの選手が駆けつけ、チャリティーマッチを行う。Bリーグ誕生により、選手たちは「職業=プロバスケットボール選手」となって新たなスタートを切った。コート上で最高のパフォーマンスを見せることはもちろんだが、こうした慈善活動を積極的に行うスターの台頭にも期待が高まる。

一昔前のNBAでは、全身タトゥーのデニス・ロッドマンやトラッシュトーカーのジョン・スタークスなど『コート上では強面の選手たち』が、寄付金を募ったりゲームに子供たちを招待するなどの活動を行っていることを知り、高校生だった筆者はそのギャップに驚かされた。同時に大好きなヒーローとなった。その流れは今も続き、NBA選手たちは様々な形で社会貢献を行っている。

2010年1月20日、30万人以上が犠牲となったハイチ地震が発生。すぐさま世界のスーパースターたちが支援活動を開始。アメリカのアーティストたちが結集し、「We art the World 25 for Haiti」を配信し収益のすべてを寄付した。世界のアスリートたちも声を掛け合い、チャリティーマッチを開催。またはプロスポーツリーグやクラブは多額の寄付金を送り、プロ選手たちは支援金を呼びかけた。日本でもZEEBRAさんを中心に様々なアーティストたちが集い、チャリティーソングを作って支援していた。

熊本地震の翌日、悲痛な思いでコートに立った熊本ヴォルターズの選手たち。

『何かしたい』という思いは皆同じ

世界を見渡せば、未曾有の震災に見舞われた地域や貧困を支援するために、アスリートたちが率先してチャリティーマッチを行っている。2010年以前、日本で開催された大々的なチャリティーマッチと言えば、2004年新潟県中越地震後に「被災者のために何かしたい」とジーコが立ち上がり、時の日本代表を始めとしたJリーガーたちが協力し合って実現したのを思い出す。

東日本大震災後、福島県でチャリティーマッチを実施し、各クラブは募金活動を呼びかけ、被災県の選手たちは復興支援のために汗を流した。『何かしたい』という思いはみんな一緒である。今年は熊本大地震の時も、拡張性心筋症という難病に見舞われ、心臓移植手術が必要なだいちゃんのためにも、バスケ界は一緒になって支援の輪を広げてきた。

これまではプロバスケ選手とは言っても自身の生活もままならず、したくてもできなかった社会貢献。バスケで稼げるBリーグになることで、強くて心優しいバスケ選手が増えていくだろう。そんな優しきバスケ選手と時間を共有できる明日のチャリティーマッチを通して、熊本の今を知るきっかけになればよい。

熊本地震復興支援B.LEAGUEチャリティーマッチ