「これで燃えない選手はいない、僕の大きなモチベーション」
今シーズン開幕前、ジョン・ウォールは9シーズンを過ごしたウィザーズを離れた。2010年のドラフトで全体1位指名を受けてウィザーズに加入したウォールは、押しも押されもせぬ『チームの顔』となった。ところが、アキレス腱断裂の大ケガからの復帰となるシーズンの開幕を待たずして、いきなり球団にトレードを要求。ラッセル・ウェストブルックとのトレードでロケッツに移った。
今日、そのウォールが初めて古巣のウィザーズと戦う。この試合を前に、『NBC Sports Washington』の取材に応じたウォールは、今回のトレードについて「最も大事なのは真実が語られることだ。僕のトレードについて理解できない人も多いだろうけど、それは何があったかを知る機会がないからだ」と語る。
「みんなそれぞれの考え方があり、多くの人は僕がカムバックできると思わなかった。そして僕をトレードしようとする人たちがいた。これは一夜にして起こったことではなく、チーム編成の大きな動きの中で出てきたことだろう。僕はNBAのビジネスを理解しているつもりだ。物事は変わりゆくし、選手は時に取引されるものだ。僕は噂を知って、電話で本当か聞いてみた。『心配するな、噂は間違っている』という答えだったけど、実際はトレードに動いていた」
もともとウォールは、球団首脳陣による「ウィザーズはブラッドリー・ビールのチーム」という発言に反発していたとされている。大ケガから復帰するための長いリハビリにはモチベーションが必要だった。ウォールはチームから必要とされていると思うからこそ復帰のための努力を重ねてきたが、いよいよコートに戻るというタイミングで、そのモチベーションは消えてしまった。
そして今のウォールは、新たなモチベーションを胸にコートに立っている。「僕のことを終わった選手だと見なし、トレードしようとしたチームを打ち倒す。これで燃えない選手はいないんじゃないかな。僕の大きなモチベーションになっている」
ロケッツに移籍した今シーズンはここまで8試合に出場。平均32.3分のプレータイムを得て、17.1得点、4.3リバウンド、5.5アシストを記録している。ケガ前のパフォーマンスとまでは言わないが、得点は取れている。ケガ前から落ちているのはアシスト数だが、彼がチームに加わったばかりであること、ロケッツ自体がジェームズ・ハーデンの移籍もあってケミストリーを再構築する過程にあることを考えれば、時間の経過とともにスタッツは伸びてくるはずだ。