ジョーンズカップ

文=立野快

強豪相手に詰め寄るも、チャンスを決めきれず

ジョーンズカップ最終戦、日本代表は強豪カナダ代表と対戦した。序盤は完全にカナダペース。地力に勝るカナダがインサイドを攻め、オープンとなった3ポイントシュートが次々と決まり16-0のスコアリングランを作られてしまう。

それでも日本代表はここからシェーファー・アヴィ幸樹がインサイドを攻めたて、ベンドラメ礼生の3ポイントシュートで落ち着きを取り戻した日本。今村佳太と佐藤卓磨の懸命なディフェンスと得点で巻き返し始め、第1クォーター終了時には22-32と持ち直す。その後は個人技で打開を図るカナダに対し、日本はテーブス海のペネトレイトとパスから応戦。それでも個人技に勝る相手のドライブを止められず、点差を広げられていく。

37-52で迎えた後半、インサイドに着実にボールを配球するカナダのオフェンスに苦しむも、日本はキャプテン並里成のパスとドライブで盛り返していく。第3クォーターすべてのシュートを成功させた並里のフリースローで13点差に縮め、良い流れで最終クォーターへ。

第4クォーター開始早々、並里のドライブから始まるパス回しでシェーファーが得点。しばらく膠着状態が続いたが、今村の3ポイントシュートが決まり、並里のボールプッシュからシェーファーへの合わせ、橋本拓哉のフリースローなど立て続けにオフェンスを決め、残り5分30秒で75-83と詰め寄る。

この後もしっかりとディフェンスで粘り、オフェンスへ持ち込む日本。橋本がタフな3ポイントシュートを決め、今村がオフェンスリバウンドをもぎ取りフリースローを獲得するとこれを決めて、残り4分を切って80-85の5点差とカナダを射程圏内にとらえた。

逆転へ勢いを得たい日本は今村がカナダのパスをスティール、速攻に持ち込むがこれを決めきれず、逆にカナダの速攻を浴びる。ここからインサイドを攻められなくなり、リバウンドからカナダの速攻を立て続けに作られ0-10のスコアリングランを食らい万事休す。緊張の糸が切れた日本は終盤に突き放され、84-99で敗れた。

今大会での経験をBリーグのコートで結果に変えろ

勝負どころでの精度を欠いたのは課題だが、粘り強いディフェンスからの速攻と積極的なアウトサイドシュートと、今大会を通じて見せてきた持ち味でカナダを追い詰めたのは収穫だ。

大会を通じて3勝5敗、9チーム中6位と結果だけ見ればパッとしなかったが、これからのBリーグを担う世代を中心に、所属チームではすでに主軸だが代表でのチャンスに恵まれなかった何人かの選手が絡み、大会を通じてどの選手もそれぞれ持ち味を見せた。

ヘッドコーチを務めたエルマン・マンドーレもこうコメントしている「このチームにとって大事なのは結果だけではなく、サイズアップによってコンバートした選手たちが不慣れなポジションでもしっかり戦えたことが収穫です」

9日間で8試合のこの大会は、どの選手にも貴重な経験となったはず。結果は大会成績ではなく、参加選手がそれぞれのチームに戻ってBリーグでのパフォーマンスをどれだけ向上させられるかで判断すべきだ。それはきっと「パッとしなかった」とは真逆の結果になるはずだ。新シーズンのBリーグで結果を出した彼らが、A代表の確かな戦力へと成長するのを楽しみに待ちたい。