馬場雄大

フィジカル強化で感じるディフェンス力の向上

オーストラリアのプロリーグ、NBLは新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れ、1月15日にレギュラーシーズンがスタートする。開幕を明後日に控え、メルボルン・ユナイテッドの馬場雄大がリモートでの取材に応じた。

馬場は「シーズン開幕が延びてしまったんですけど、その分チームとして良い準備ができたと思っていますし、チャンピオンシップを狙えるチームになっていると思うので、チーム力の高さを表現したい。個人としてはゲーム毎に信頼を勝ち取りつつ、結果にこだわっていきたい」と意気込んだ。

「フィジカルが強い印象を持っていましたが、チームに入ってそれが分かった」とオーストラリアリーグの印象について馬場は語ったが、「チームも身体作りに力を入れていますし、今までで一番身体的に仕上がっていると言っても過言ではない状況」と、自身もフィジカルを強化に成功したという。

昨シーズンの馬場はGリーグのテキサス・レジェンズでプレーした。シーズンが中止となるまで41試合に出場し、平均19.8分、6.3得点、2.5リバウンド、1.3アシスト、1.0スティール、3ポイントシュート成功率41.1%を記録。『3&D』プレーヤーとしての地位を確立していた馬場だが、フィジカル強化によって、そのディフェンス力に磨きがかかったという。

「ディフェンスは自分の得意なプレーの一つだったんですけど、コースに入ってディフェンスとしては完璧に成立していても最後に力で押し切られてやられる場面がありました。そういった場面がなくなり、昨年以上にディフェンスで守り切るケースが増えました」

馬場雄大

「チームの中で突出した存在に」

現在のメルボルン・ユナイテッドでの馬場の立ち位置はシックスマンであり、チームからは流れを変えるプレーが評価されているという。Gリーグでは『3&D』として役割が限定されていたが、現在は多様なスキルが求められている。そのため、これまでに培ってきたすべての経験がオーストラリアでは生きてくる。

「Gリーグでは主に3ポイントシュートとディフェンス。日本ではクリエイトもやっていたので、今までの僕のプロ生活で培ってきたことを出せる場がオーストラリアだと思っています。アメリカの時よりも展開するバスケなので、クリエイトする機会は増えたと思いますし、新しい挑戦という感じではなく、今までやってきたすべてのプレーをこのリーグで見せたい」

あくまでも、馬場の目標はNBA選手だ。現在、八村塁と渡邊雄太の2人がNBAで奮闘している、馬場は2人に刺激を受けつつ、彼らの活躍についても言及した。「塁は2年目で、1年目でも物怖じしている様子はなかったんですけど今はもっとチームを引っ張っている。左手のプレーが増えたり、オフシーズンに頑張ったんだなと。雄太はチャンスをモノにして、チームとしての相性も彼と合っているイメージ。3ポイントの確率も上がっていますし、何より自信を持ってプレーしているのが見て取れます。彼らの活躍がNBAを目指す理由にもなっているので、国は違いますが僕も頑張らなきゃと思っています」

NBAは世界最高峰の選手が集まる狭き門。馬場はそれを分かっているからこそ、オーストラリアで大きなインパクトを残す決意を示した。「2桁得点は目指したいです。このリーグで輝かない限りはNBAに行けないと思います。チームの中でも光って見える、突出した存在になることを今は大切にしています」