ボグダン・ボグダノビッチ

バックスへの移籍は破談に、ホークスと契約を結ぶ

今オフ、ボグダン・ボグダノビッチの去就は大きな話題となった。キングスからバックスへのサイン&トレードが成立されたと報じられたが、本人の同意がなかったために破談となっている。この件ではバックスが交渉解禁前にボグダノビッチの代理人に接触したことがタンパリング違反だとNBAからの調査を受け、最終的にボグダノビッチはフリーエージェントとなってホークスと契約を結んでいる。

『The Athletic』の取材に応じたボグダノビッチが、この顛末を説明した。「バックスへのトレードはTwitterで見た。みんなと同じタイミングでね。『何だこれは?』という感じだったよ。その2日後にリーグの調査が入った。でも、僕は何も知らされておらず、トレードについての判断もしていなかった。僕のことなのに何の関与もできないまま話が進むなんておかしいよね。ビジネスだと理解しているけど、少なくとも選手本人には先に知らせるべきだ」

「キングスからは『チームの一員でいてくれてありがとう』というメールが来ただけ。誰からも電話はなかった」

それでも『The Athletic』はボグダノビッチの証言を疑っている。NBAはタンパリング違反の調査で、ボグダノビッチまたは彼の代理人からバックスへの働きかけがあったともしているからだ。彼の証言が本当であれば、代理人が勝手にトレードを進めたことになるが、ボグダノビッチはそのことには触れなかった。

ボグダノビッチはホークスでのプレーに集中したい。バックスは大物フリーエージェント獲得の失敗し、さらにペナルティとして指名権を剥奪されたことに触れたくはない。ホークスのオファーにマッチせずにボグダノビッチを手放したキングスも、もはや無関係を決め込んでいる。この問題に関与したすべての関係者が、もう過去のものとして片付けたがっている。

ホークスはボグダノビッチを始め多くの新加入選手を加え、新型コロナウイルスの影響で準備不足のまま開幕を迎えたが、ケミストリーが構築できていない序盤戦も4勝3敗と勝ち越し、まずまずのスタートを切った。ボグダノビッチはここまでセカンドユニットのオフェンスを引っ張る役割を担っているが、平均26.3分の出場で11.7得点は及第点の出来。移籍のトラブルは頭から切り離し、これから調子を上げ、大型契約に見合った選手であることを証明すべきだ。

「今はシックスマンとしてセカンドユニットを走らせる役割を担っていて、トレイ・ヤングとプレーするのも楽しい。まだお互いによく理解できているとは言えないし、ここからもっと良くなるはずだ。一夜で化けそうな才能ある選手も多い。若手とベテランがうまく混在してて、エナジーと経験がミックスされている。このチームが今後どう成長するか、僕は楽しみにしているんだ」