タイラー・ヒーロー

9リバウンド8アシストを記録「シュートだけじゃない」

ヒートは第3クォーターに20-0のランでサンダーを突き放し、118-90の快勝を収めた。これで3勝3敗、開幕から調子が上がらなかったがメンバーも揃い、ようやく会心のゲームができたと言える。

昨シーズンの躍進の理由はハードなディフェンスとチームワーク。ヒートはそれを取り戻しつつある。サンダーのフィールドゴール成功率を36.7%に抑え、リバウンドでも47-38と上回ると、オフェンスではボールをシェアした。出場した13選手のうち12人が得点し、10人が5得点以上を記録。フィールドゴール成功率は56.8%と、チームでチャンスを作り出してバランス良く得点を重ねた。

足首の捻挫で年末のバックスとの2試合を欠場したジミー・バトラーも、復帰2試合目で本来の存在感を取り戻している。18得点3リバウンド6アシストを記録。彼が強引に仕掛けて点を取らなければいけない試合展開ではなかったが、それでもチームメートへの影響力は強く、彼がコートにいれば攻守が引き締まる。

ストイックなバトラーも、今日の出来には満足した様子で、次のように試合を振り返る。「しっかり守って、ボールをシェアして、互いにサポートしながらプレーする。そういう戦い方をこれからも続けていきたい。ウチには得点できる選手はたくさんいるから、正しいプレー選択ができれば良いオフェンスができる。ただ、今日に関してはディフェンスだ。良い試合ができた時は、必ず良いディフェンスができている」

タイラー・ヒーローは7得点とスタメンの中で唯一2桁得点に届かなかったが、9リバウンド8アシストを記録している。ヒーローはシューターの印象が強いが、実際はハンドリング能力が高くてクリエイトもできる選手。3ポイントシュートは5本中1本成功とタッチはあまり良くなく、シュートを狙っていくシーン自体が少なかったが、チームのボールムーブの中でドライブからのキックアウトを織り交ぜることで攻めにアクセントを付け、多くのチャンスを作り出した。

「今シーズンは正しいプレー選択をするようにコーチから言われている。それはシュートだけじゃない。チームのプレーの中でボールをシェアして、シンプルだけど正しいプレーを重ねていくことなんだ」とヒーローはアシストが増えている要因を語った。

昨シーズンはセカンドユニットの一員で、思い切り良くシュートを打ってチームに勢いをもたらすのが仕事だったが、スタメンになれば役割が増え、オールラウンドな働きが求められる。プレータイムが27.4分から33.2分へと伸びる中で、得点もリバウンドもアシストも増えているが、個人のスタッツよりも『正しいプレー選択』ができるかどうかが問われる。ここまでは上々の出来。プロ2年目の20歳は、まだまだ上を狙えそうだ。