高知中央

ゾーンディフェンスで昭和学院の高さに対抗

ウインターカップ4日目。女子の準々決勝が行われ、高知中央が昭和学院を85-71で下し、準決勝へと駒を進めた。

高知中央は留学生プレーヤーを擁するが、平均身長は166.5cmとサイズがないチーム。そのため、平均身長が172.6cmの昭和学院に対し、立ち上がりからゾーンディフェンスを仕掛ける。インサイドでポジションを取らせずに、中に入られても2人や3人で抑えにいくことでタフショットへと追いやる。サイズで劣る分、オフェンスリバウンドはトータルで30本も与えるなど圧倒されるが、取られてもすぐにディフェンスへと切り替えることで、セカンドチャンス、サードチャンスをモノにさせない。ドライブに対しても徹底してコースを塞ぐことで、苦し紛れのキックアウトへと追い込むなど昭和学院のペースで攻めさせないことに成功した。

オフェンスでもU18代表候補に選出されているキャプテンの井上ひかるが、スピードとハンドリングスキルを生かして積極的にペイントアタックして、得点へと繋げる。自分へのマークが厳しくなれば、ディフェンスを引き寄せて味方のシュートチャンスを生み出すなど、巧みなゲームメークを披露した。

それでも昭和学院もディフェンスリバウンドからの速攻やミドルシュートやアウトサイドシュートへと切り替えて得点を重ねていくが、10点前後のリードを縮めきることができない。

43-32と高知中央がリードして迎えた後半、高知中央はディフェンスのギアを上げる。プレッシャーを与えてはスティールしてモノにし、井上を中心にトランジションバスケを遂行するなどして、堅守速攻で主導権を握ると一気にリードを18点に広げた。その後は昭和学院に連続得点を許すも、2桁リードを維持して勝利した。

高知中央

「小さくても勝てるということをすごく実感しています」

この試合で27得点7リバウンド9アシスト2スティールを記録した井上は、「ドライブからのジャンプシュートや、シューターの3ポイントシュートがちょこちょこ当たっていたこと。あとは自分たちの気持ちが強かったので、そこが勝因だと思います」と振り返った。

この試合での高知中央は、全員でハードにディフェンスを遂行することで高さ不足をカバー。ここまで県立足羽、前橋市立前橋、八雲学園を倒し、そして昭和学院に勝利してメインコートへの切符をつかんだ。井上はここまでの戦いを通して、「小さいからこそできることもあると思うので、小さくても勝てるということをすごく実感しています」と手応えを語る。

それでも本日対戦した昭和学院は、先日の試合で優勝候補の岐阜女子を相手に逆転勝利を果たすなど勢いに乗っていた。井上も「そのことについて昨日みんなで話していました」と言う。「それでも自分たちもここまで戦ってきて、こっちにも流れはあると自分たちを信じてやってきました。なので、相手に呑まれるということは今日もなかったです」

準々決勝を突破し、明日からは高知中央にとって初めてのメインコートでの戦いとなる。井上は言う。「相手は桜花学園さんなので本当に強いと思いますが、自分たちがやってきたことをどれだけ出していけるかが大事になると思います。弱気にならずに自分たちの強みであるドライブからのジャンプシュートや3ポイントシュートを狙って勝ちにいきたいです」