ドワイト・ハワード

写真=Getty Images

元最強センターが移籍を繰り返す謎

ドワイト・ハワードがNBAトップのビッグマンと呼ばれていたのは、そう遠くない過去の話。今でも1試合20得点10リバウンドをコンスタントに記録する力の持ち主なのだが、今では“チー
ムに悪影響を与える選手”という印象の方が強い。

今夏ウィザーズに移籍したハワードは、『Washington Post』に「いつだって同じことしか言えないけれど、自分は悪い人間ではないんだよ」と、自身への評価について反論した。

「ロッカールームでおかしなことをする選手でもない。周りが言うことは全て嘘。結局、俺がトレードされた理由や、チームを退団した理由をつけようとしているだけ。自分のことをコート内外で知っている選手なら、俺が悪い人間でないことを知っているはずだよ」

チームのロッカールームでハワードが煙たがられているかは不明だ。しかし、2012年の夏にマジックからレイカーズにトレードされて以降、ハワードはロケッツ、ホークス、ホーネッツ、ウィザーズとチームを変えている。マジック以降もっとも長く所属したのはロケッツ(2013-14シーズンから15-16シーズンまで)だったが、2年目以降はジェームズ・ハーデンとの不仲が噂されるようになり始めた。そして2016年の夏に地元ホークスに移籍するも、わずか1年後にはホーネッツにトレードされている。そして、その1年後の2018年夏、ホーネッツはハワードをネッツに放出。契約バイアウトに合意しフリーエージェントになってウィザーズに移籍したのだが、短い期間で放出され続けている。これが事実であり、結果的に自分の意思に反して移籍を繰り返しているからには、何か理由がなければおかしい。

ハワードは、「チームを壊している」という噂についても、こう反論している。

「俺は一度だってチームを壊したことなんてない。メディアはほかに言うことがないから、ずっと同じ話をしているんだよ。良いチームメートだけど、コート上でよく笑うなんていう声もある。でもね、俺はファイナルに勝ち進むまでずっと笑顔を見せていたよ」

個人スタッツでは相応の結果を残しているが、チームを勝利に導くという部分では物足りない面がある。移籍を繰り返す理由も、パーソナリティーを含めたチームへのフィット感が足りないことが含まれるのかもしれない。もし来年もチームが変わるようなら、やはりハワード自身に問題があると言われても仕方がない。