カーメロ・アンソニー

「すでに00のジャージーが大量にオーダーされちゃっている」

トレイルブレイザーズと再契約したカーメロ・アンソニーは、今シーズンからニックス時代の背番号7番を着けたいと希望していた。

ブレイザーズの7番は、生え抜き選手として活躍したブランドン・ロイが着けていた番号で、球団の永久欠番になっているわけではないが、同選手が2013年に退団してからは誰も着けていない、いわゆる『聖域』扱い。先日「許されるなら7番を着けたい」とコメントしたカーメロに対して、ロイは「もしカーメロが着けてくれるなら、こんなに名誉なことはない。彼に着てもらうべきだよ」と『The Athletic』とのインタビューで答えた。

ロイはカーメロに大恩があることも明かしている。2009年にロイの従兄弟がガンに侵された際、カーメロに握手と写真撮影を頼んだ。カーメロはこのお願いに快く応じてくれ、それから従兄弟のお気に入りの選手になったという。

中には『聖域』を侵すことを良しとしないファンもいるとはいえ、ロイ本人から着用のお墨付きを得た以上、カーメロは晴れて7番に切り替えられると思われた。しかし、彼は求めていた背番号7ではなく、昨シーズンと同じ00番のジャージーで今シーズンもプレーすることを決断。その理由は、ビジネス上のものだ。

カーメロは、ロイから7番着用の許可をもらえたことについて聞かれるも「すでに00のジャージーが大量にオーダーされちゃっているから、コストがかかりすぎる」と答え、泣く泣く断念したことを明かした。

同様の理由で、レイカーズのレブロン・ジェームズも今シーズンから23番を相棒のアンソニー・デイビスに譲ることを断念。レブロンは、デイビスがレイカーズに加入した昨年も背番号の変更を試みたが、2017-2018シーズンからNBA公式アパレルプロバイダーになったナイキが製造したレブロンの23番ジャージーは在庫数が多く、認められなかった。

ブレイザーズと新たに1年契約を結んだカーメロが2021-22シーズンもポートランドでプレーするかは分からないが、もし彼にその意思が芽生え、球団も再契約を検討する状況になれば、ロイ以来となる7番を背負うブレイザーズの選手が誕生するかもしれない。