クリス・ポールとは「激しくやっていて、ケンカになりそう」
サンズは昨シーズンを34勝39敗の成績で終えた。これで勝率5割を下回ったのは6シーズン連続、10年連続でプレーオフ進出を逃している。だが、2020-21シーズン開幕に向けて始動したチームの雰囲気は、これまでになく明るい。『バブル』を舞台に8戦無敗で昨シーズンを締めたことに加え、クリス・ポールなど新戦力の獲得で「今度こそ行ける」というムードになっている。
それを誰よりも強く感じているのがデビン・ブッカーだ。『バブル』の8連勝のうち7試合でチームトップの得点を稼ぎだしたエースは「マインドは変えず、モチベーションを保ちたい。でも、このチームは明らかに変わった。戦力が充実しているよ」と語る。
「新しい選手たちと一緒にプレーすることに興奮しているし、ファンの期待も感じる。様々な予想をしていると思うけど、僕自身は『バブル』で戦ったメンタリティを持ち続けたい。誰が何と言おうと、このチームには素晴らしいタレントが揃っている。このチームのベストを引き出し、それぞれの選手の持ち味を最大限に発揮して戦いたい」
例年になく短いオフになったが、始動が待ち切れなかったとブッカーは言う。「開幕が近づくとワクワクするよ。僕は練習やシューティングドリル、1on1でチームメートと競争するのが好きなんだ。他のチームの対策を練ったりするのに全力を尽くす高揚は、他では味わえない。次のステップは新戦力をチームにフィットさせることだ」
クリス・ポールとはすでに一緒に練習している。息の合ったプレーに期待したいところだが、「激しくやっていて、ケンカになりそうな時もあるんだ」とブッカーは笑みを浮かべる。
「競争心の強い2人の選手が競り合えば、当然そうなるよ。チームの勝利を考えたら、時に友人であっても一線を超えることも必要になる。クリスは究極の負けず嫌いで、だからあれだけの実績を残せた。ここに来てまだ日は浅いけど、彼のリーダーシップ、集中を切らさないようにする力はすごい。彼がいるだけで精一杯練習しようという気持ちになる。彼がこれまで経験してきた場所に、僕らもたどり着きたい。彼のリーダーシップに任せながらも、このチームの良さをプラスして、みんなで助け合ってすべての試合に勝ちたい」
そのクリス・ポールはブッカーの練習に取り組む姿勢を称賛した。「もっとやってやろうと思うよ」とブッカーは言う。「トレーニングジムでもクリスの存在感は大きい。彼の前で良いところを見せようとするわけじゃないけど、彼は高い競争心を持って良いパフォーマンスを見せてきた。僕も同じようなアプローチでやっていきたい」