バム・アデバヨ

「バスケットボールを変えたい」

ひと昔前の時代とは変わり、現代のバスケットボールはポジションレスが主流になった。センターがインサイドでリバウンドとブロックに専念していたのはとうの昔で、今は3ポイントシュートやアシストでの貢献も求められる。

ヒートのバム・アデバヨは、まさに現代型ビッグマンの代表格だ。チームがNBAファイナルに進出した昨シーズン、アデバヨは平均15.9得点、10.2リバウンドに加えて、センターではナゲッツのニコラ・ヨキッチ(7.0)に次いで多い5.1アシストを記録した。

このオフにヒートと5年1億6300万ドル(約169億円)の延長契約を結んだアデバヨは「バスケットボールを変えたい」と壮大な目標を口にしている。「長く現役を続けて、引退する頃にはセンターかパワーフォワードで歴代トップ5に挙げられる選手になりたいし、そういう選手として思い出してもらいたい。これからもバスケットボールの形を変え続けた上でね」

昨今NBAで万能型のビッグマンが増えているのは、アデバヨやヨキッチの成功例があるからだ。アデバヨは同じタイプの選手が増えている現状について「自分のプレーをリスペクトしてもらえている気がする」とも話している。「攻守両面で活躍できて、パスも出せて、チームで違いを生み出せるセンターとしてやっている以上、バスケットボールに変革をもたらそうとしている」

超大型契約を勝ち取ったアデバヨに慢心はない。また彼は、選手としての力を信じて大金を投じてくれた球団のために果たすべき責任も理解している。「球団内では『限界知らず』というニックネームで呼ばれているし、これだけで僕がどういう選手か分かってもらえると思う。可能な限り良い選手に成長して、このチームに優勝をもたらしたい」

「球団は僕に1億6300万ドル、もしくは2億ドル(約208億円)近い価値があると判断してくれた。責任を感じているし、意気に感じる。これからはどうやってチームを勝たせるか、どうすればトロフィーを掲げられるレベルに到達できるかを考え、実行するのが僕の役目であり目標。それが自分の責任だから、なんとかしないといけない」