スティーブ・ナッシュ

ジェームズ・ハーデン獲得の噂には「別の誰かが答えるべき」

12月22日のNBA開幕に向けて各チームが始動。ネッツではスティーブ・ナッシュがヘッドコーチとしての第一歩を踏み出した。

チームが始動してすぐに会見に応じたナッシュは「今の自分にない知識や経験がある状態で就任できればもっと良かったんだけど、素晴らしいスタッフが揃っているので多くを学ぶつもりだ。私なりの経験や考えはあるが、学ぶことに貪欲でありたい。楽しくチャレンジできる環境を整えながらも、試合に勝てるスタイルを築き上げていきたい」と語る。

カイリー・アービングとケビン・デュラントがこのチームの軸となる。ナッシュによれば「2人とも素晴らしいコンディションで合流してくれた。長く休んでいたので不安はあったが、我々にとってはベストのシナリオだ」とのこと。

「2人のコンビネーションは神様からの贈り物だ。2人とも信じられないくらいのスキルと才能を持っている。得点が取れるし、プレーメイキングもできてIQも高い。2人は他の選手とも良いパートナーになってくれるだろう」と、ナッシュは2人のトップ選手に全幅の信頼を寄せている。

ただ、2人をコートに送り出せば勝てるわけではない。彼らを軸としながらも、足りない部分を補ってチームとして機能させるのがヘッドコーチである彼の仕事となる。

もっとも、その構想は彼の頭の中では出来上がっている。「アップテンポなスタイル、速攻をしかけて広いスペースを使うプレーをしたい。ハーフコートオフェンスで素早い判断をし、スペースを作り、我々のプレーメーキングとシューティングを生かす。空中戦に強いセンターがいるのでリムの上でも相手にプレッシャーを与えられる。相手ディフェンスを広げてカバーするのが難しくなるようにしたい」

ナッシュが指導者としての経験がないのは懸念点だが、かつて彼を指導したマイク・ダントーニが今度はナッシュのアシスタントコーチとしてサポートに回る。ダントーニが指揮官、現役時代のナッシュが司令塔だったサンズのプレースタイルを踏襲するのか、との質問にナッシュは「共通点は間違いなくある」と答えた。

「僕らがフェニックスで採用していたやり方は今のNBAでも通用する。ただ、類似点はあるけど今の選手に合うやり方を考えたい。チームのスタイルは、半分は戦術、もう半分は選手の特長によって決められる。チームの成長と理解力、関係性を育てながら、選手の性格やスキルを土台にしたオフェンスを作りたい」

もう一つ記者たちが興味を持ったのは、3人目のトップ選手をチームに加えるつもりがあるか、ということ。ロケッツは昨日、ラッセル・ウェストブルックをウィザーズへと放出した。同じく球団に不信感を抱いてトレードを要求しているとされるジェームズ・ハーデンは、ネッツに加わるのではないかと噂されている。

だが、ナッシュはこれに対して「よく分からない」と回答した。「僕は今のロスターを気に入っているし、コーチとして楽しく競争力のあるチームを作りたいだけ。その質問は別の誰かが答えるべきだろうね」