秋田ノーザンハピネッツを接戦でも勝ち切れるチームへと変える伊藤駿「頑張るだけではダメなんです」

秋田ノーザンハピネッツを接戦でも勝ち切れるチームへと変える伊藤駿「頑張るだけではダメなんです」

2020/11/25 18:00
伊藤駿

秋田ノーザンハピネッツは8勝7敗と勝ち越して、バイウィークを迎えた。激戦の東地区において、順位こそ下から数えるほうが早い7位に甘んじているが、チーム力は以前よりも明らかに上がっている。試合を重ねるにつれ存在感を増している伊藤駿も「強豪と肩を並べることができるくらいの力はある」と胸を張る。伊藤は秋田がもう一つステップアップするためのキープレーヤーとなる。

ブースターの叱咤激励に「本気で応援してくれている」

──バイウィークを迎えました。この中断期間をどのように過ごしていますか?

今日はウェイトが終わって、休憩してから午後練習です。オフを挟んでまた今日からという感じで、強度も上げ過ぎず下げ過ぎずといつも通りですね。

──ちなみに伊藤選手はSR渋谷から秋田へ移籍して2年目を迎えますが、秋田での生活には慣れましたか?

そうですね。もともと田舎で暮らしたいという願望はなく、それこそ東京や関東でずっと過ごすと思っていました。でも、いざ住んでみたら「住めば都」じゃないですけど、自分のペースで過ごせて本当に良い環境だと思いました。逆にこれから東京に住むことになるとキツいかなって。バスケに打ち込めてすごく充実していますし、こっちのほうが合っているかなと。

──髪色も変えてヘアバンドとスタイルが変わりましたね。そのせいか、プレースタイルも少しワイルドになり、ディフェンスでも秋田色に染まってきた印象があります。

飽きたのでハイライトにして、前髪が邪魔なのでバンドもするようにしています。プレースタイルの変化はあまり自分では実感していないですけど、慣れはありますよね。昨シーズンは特殊なシステムに慣れるのにすごく時間がかかりました。落とし込む作業に長く時間がかかっていたので、それがようやく花開いたという感じですかね。身体のケアと食事に気を遣うようになって、トレーニングの量が増えたことも関係あるかもしれないですね。

でも、実際に「今年のお前めちゃくちゃ良いな」とか、対戦相手と話す時に結構言われます。(小野)龍猛さんも「絶対こっちのほうがいいじゃん」って言ってくれたりしました。

──やはり皆さんもこれまでと何かが違うと感じているんですよ!

実感はないんですけどね。僕自身、プレータイムがどうとか先発で出たいとか、秋田に来てからあまり思わなくなったんですよね。どちらかというとコーチングの目線で話すようになってきたというか、もっと若手にプレータイムをあげればいいと思ったり。これまでよりも支える側になったからですかね。もちろん勝負どころ出たいという気持ちはありますよ。矛盾してますが、その気持ちがなくなったら終わりだと思いますし。

──『クレイジーピンク』にも慣れましたか?

やっぱりすごいですね(笑)。初めて公式で試合をしたのがアーリーカップで、仙台が会場だったんですけど、ゼビオアリーナの半分がピンクで埋まっていました。地域性なんですかね、熱量が違うというかグイグイ来るというか。今までは負けた時「次、頑張れよ」と言ってもらっていましたが、こっちだと「何やってんだよ」という言葉も聞けるのでそこの熱量が違います。プレッシャーもありますけど、本気で応援してくれているんだなって気持ちがすごく伝わります。それに応えないとと思い、やっている充実感は違いますね。

伊藤駿

「昨シーズンは競って『ナイスゲーム』で終わっていた」

──現状8勝7敗ですが、この数字をどのように見ていますか?

正直、あと2勝はできたかなと。宇都宮ブレックス戦(3点差)と千葉ジェッツとの初戦(2点差)。ああいう試合を取れないと強いチームとは言えないなって思います。千葉戦は秋田らしくやったなって感じでしたが、宇都宮戦に関してはあっちがあまり良くなかったので、そういうのを取りこぼすともったいないというか、まだまだだなって。

──強豪であろうと、調子が悪い状態であれば秋田は勝てるところまで来ているということですね。

そうですね、そこまで大差ないと僕は思っています。強豪と呼ばれるチームに対し、自分たちがやらないといけないことを徹底してやれば、勝てる試合は絶対にあると思っています。昨シーズンは競って『ナイスゲーム』で終わっていた。今年はより成熟して、競っても勝てるチームになってきていると思っていて、それが昨シーズンと今シーズンの違いだと思っています。

──千葉戦も最後のディフェンスは紙一重でしたね。伊藤選手も富樫勇樹へナイスディフェンスしてました。

めっちゃキツかったですけどね(笑)。最後がマイボールだったらと考えると悔しいです。東地区の4強と呼ばれるチームと肩を並べられるくらいの力はあると思っています。でも、そこに競り勝つには自分たちが持っている100%を出せないと勝てないという感覚も持っています。それを毎試合続けないと、強豪ではない相手にも取りこぼしてしまうと思います。

──個人的な目標はありますか? 宇都宮戦ではシーズンハイの17得点を記録し、得点力があることを証明しました。特に秋田は日本人選手の得点をテーマに掲げていると思います。

そうですね、もっと貪欲にスタッツは伸ばしていきたいです。ピックからのジャンパーを打ちまくっていたBリーグ1年目はそこそこ得点も取っていたので(平均7.3)。行く時は行かないとってあらためて思いました。

伊藤駿

「秋田はずる賢いチームではない」

──かなり前の取材で、「僕が言ったことを理解してやってくれていれば勝ちゲームになる」と発言していました。さらに腹黒いとも話し、爽やかなルックスと発言のギャップが印象的でした。秋田は頑張るチームですが、そうした腹黒さも必要になってくるのではないでしょうか?

懐かしいですね(笑)。正直、秋田はずる賢いチームではないと思います。汚い部分は大事で、強いチームはプレーの中でみんながやっていると思います。それをみんなが理解すれば強くなるとは思いますね。

その通りで、頑張るだけではダメなんです。それが若い子に伝わればいいと思います。主にディフェンスですが、何でこの時間帯にファウルをするのか、何でそこで手を出してしまうのかとか。経験によるものですが、抜くところを抜いてうまくやれよとは思います。

──そうしたところを伊藤選手が体現すれば、これからさらにチームは上昇できそうですね。では最後に秋田のファンにメッセージをお願いします。

今シーズンは特に競った試合があって、昨シーズンまでだったら、それで活躍すればナイスゲームと言ってもらっていましたが、その中で勝ち切らないといけないと思っています。自分が何をすれば勝ちに結びつくかを考えて、ずる賢く、黒いところを出してやっていきます!(笑)

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