田中晴瑛

市立船橋は昨年のウインターカップで格上と見られる強豪を連続で撃破し、全国の舞台でインパクトを与えた。頼りになる先輩とともに主力としてプレーした田中晴瑛はキャプテンとなり、エースの市場脩斗は斉藤智海コーチをして天才肌と呼ばれる存在へと成長した。市立船橋の命運を握る、2人のキープレーヤーに話を聞いた。

「どこからでも点数が取れることが今年の一番の武器」

──まずは経歴を含め、自己紹介をお願いします。

田中 キャプテンの田中晴瑛です。ミニバスは県で2位で、中学校は全中でベスト16まで行きました。

市場 エースの市場脩斗です。ミニバスは市でベスト16、中学では県新人大会で優勝しました。

──エースと言い切れるのがすごいですね。それぞれ得意なプレーなどをお願いします。

市場 平均30得点くらいは取っていると思います。得意なプレーはドライブです。でも得点を取りつつ、自分が攻めきれなかった時にはアシストパスだったり、ディフェンスリバウンドを取って、しっかりチームが波に乗るように貢献していきたいと思っています。

田中 一番得意なのはジャンプシュートです。得点を取り、チームを動かしながら市船の走るバスケットを展開したいです。エースは市場ですが、得点も狙ってアシストも増やしていきたいです。

──今年のチームの特長はどんなところですか?

田中 どこからでも点数が取れることが今年の一番の武器だと思います。去年はインサイドはインサイドだったり、アウトサイドはアウトサイドと形が結構決まっていたのですが、今年は全員がアウトサイドシュートを打てることが一つの強みだと思います。

市場 去年と比べても飛び抜けて大きい選手がいないというのは一つ辛いところではありますが、ディフェンスのところでしっかりローテーションして、市船らしい速攻に繋げていきたいです。

──千葉県大会を制してウインターカップ出場を決めましたが、それまでに大変だったことは何ですか?

田中 コロナの影響で長い間プレーができなくて、ようやく練習ができた時にゲーム形式ではなく、基礎的な練習が続いたことは辛かったです。ZOOMで何度か話をしたり、選手同士でコミュニケーションは取っていましたが、ゲーム形式に入っても5人の息が合わないことが多く、それを合わせていく作業は結構大変でした。

市場 対人練習ができなくて、1人で家でトレーニングをやったりみんなと一緒にバスケができなかったことが辛かったです。学年関係なく、チーム全体として仲が良いいのが市船でもあるので、みんなと会えなかったことが一番辛かったです。

──それぞれから見たキャプテンの田中君、エースの市場君の印象を教えてください。

市場 ふざけるところやちゃんとするところを区別していて、 全体をしっかりまとめてくれるキャプテンです。バスケには本当に真面目で頼りになります。

田中  チームの中では大きい方なのでリバウンドも取ってくれたり、すごく得点力もありますし、心強いエースです。

市場脩斗

「高校生なんだという自覚を常に持つようになりました」

──それぞれ、普段のリフレッシュはどのようにしていますか?

田中 僕は遊びでバスケをしに行きます。本当に疲れている時は家で映画を見たりしていますが、家の近くにゴールがあるのでそこでシュート打ったりすることが多いです。

市場 今はコロナ禍なのでなかなか行けないですが、スーパー銭湯や映画、おいしいものを食べに行ったり……ですね。いつかみんなで温泉に行きたいです。

──そもそも市船に入学した理由は何でしょうか?

市場 中学生の時から憧れていて、ずっと市船に入りたいと思っていたので。

田中 『市船』っていう存在は僕の中ですごく高い位置にあって、ここでプレーしたいと思っていました。レベルの高い人たちがいる中でプレーができて、常に切磋琢磨して自分のレベルを高めていくことができているので本当に良かったです。

──斉藤コーチの指導の中で印象的なことはありますか?

田中 朝のミーティングなどで「まず、高校生である」ということをよく言われます。バスケ選手という以前に高校生であり、普段の生活や挨拶なども高校生らしくというか、高校生なんだという自覚を常に持つようになりました。

あとは体育館でプレーできることが当たり前じゃなくなったので、体育館が使えることに感謝をしたり、周りの人が支えてくれているんだなということは強く感じるようになりました。

──では最後にあらためて、ウインターカップへの意気込みを聞かせてください。

市場 市船らしい速いバスケットを展開して、自分たちの目標である最終日、最終戦までいけるように頑張りたいです。自信はあります。

田中 市船らしいバスケットに自分たちの色を出して、最終戦を目指して頑張ります。