レイカーズ

不安解消に繋がったのはレブロンの存在

10年ぶり、球団史上17回目の優勝を成し遂げたレイカーズは、短いオフを挟んで12月22日から開幕する2020-21シーズンに挑む。

レブロン・ジェームズが中心のチームではあるが、アレックス・カルーソにとって今シーズンは飛躍の1年になった。カルーソは2017年にレイカーズと2ウェイ契約を結び、2019年に実力を認められて本契約を勝ち取った苦労人だ。 今シーズンは64試合に出場し、平均5.5得点、1.9リバウンド、1.9アシスト、1.1スティールを記録。とりわけ秀でたスタッツではないが、ディフェンスやオフボールの動き、味方を生かすプレーでチームファーストを体現している。

指揮官のフランク・ボーゲルに実力を認められてローテーションに加わると、プレーオフでは試合終盤にプレータイムを与えられ、優勝を決めたヒートとのNBAファイナル第6戦では先発に抜擢されるなど、チーム内での立ち位置も上がった。

ただ、カルーソ本人はオーランドのディズニーリゾートで開催された『バブル』で不安を抱えていたという。その不安とはキャリア初のプレーオフが近づいたあたりから生じ始めたと、ペリカンズのJJ・レディックのポッドキャスト番組『The Old Man and the Three』に出演した際に語った。

「再開後のシーズン初戦でクリッパーズに勝って、西の1位通過が確定した後、主力に休養を与えるような感じになった。みんなが良いコンディションでプレーオフに臨めるようにするためにね。でも僕は、毎試合に出場して調子を整えるタイプだから、『本当に大丈夫かな?』と不安だった。スイッチを切り替えられると良いなと思っていたんだ」

カルーソの不安はプレーオフが開幕してからも消えなかった。レイカーズはトレイルブレイザーズとのファーストラウンド、そしてロケッツとのカンファレンスセミファイナルでも第1戦を落としたからだ。この時もカルーソは「いつになったらチームのエンジンがかかるんだろう?」と思っていたという。

そんな不安を解消させてくれたのが、大黒柱のレブロンだ。カルーソは「最初は不安だったけれど、ウチの23番が『準備万端』と言うのなら抗うつもりはない。それに試合を重ねるごとに、プレーオフを通じてチームの状態も上がっていったからね」と語った。

優勝への期待、プレッシャーを跳ね除けたレイカーズは、来シーズンも優勝候補に挙げられている。プレーオフでの戦い方、調整方法を学んだカルーソも、チームに欠かせないロールプレーヤーとして連覇に挑む。