キャブズとの契約延長が済んでいない中での早期始動
昨シーズン、レギュラーシーズンで73勝9敗を記録し、1996年にブルズが樹立した年間最多勝利記録(72勝10敗)を更新したウォリアーズ。ファイナルでキャバリアーズに敗れたことに奮起し、フリーエージェント市場でケビン・デュラントを獲得してスーパーチームを誕生させた。
悲願の初優勝を飾ったキャブスだが、オフの話題はウォリアーズにさらわれた感が強い。シーズンが開幕してみなければ補強の効果は分からないが、ウォリアーズについては「優勝候補筆頭」と見る者が多い。
そんな状況に刺激されたのか、レブロン・ジェームズが早くも本格的なトレーニングを開始した。『Sports Illustrated』によれば、デュラントのウォリアーズ移籍が決定してから間もなく、ジェームズは午前5時に起床するようになり、朝の6時からウェストハリウッドのジムでトレーニングをしているという。
ジェームズは、ウォリアーズを意識したわけではないと前置きしつつ、この時期からの本格始動は異例であることを認めている。
フリーエージェントの立場にあるジェームズだが、6月に行なわれた優勝パレードで、来シーズンもキャブズでプレーすると宣言している。まだキャブズとの再契約は発表されていないが、新たに1年契約を結ぶ可能性が高く、来年のオフに再びフリーエージェントとなり、NBA史上最高額での長期契約を手にする、という青写真を描いているようだ。
本人は認めないだろうが、異例の早期始動の理由の一端にウォリアーズへの意識があるのは間違いない。レギュラーシーズン中の対戦ではもちろんのこと、もし3年連続してウォリアーズvsキャブズのファイナルで実現した場合、キャブズが2連覇を果たすためには、ジェームズが今年の6月に繰り広げられたシリーズで見せたのと同等か、またはそれ以上のパフォーマンスが求められるのは容易に想像がつく。
『強者は強者を知る』とは、まさにこのことだ。ジェームズの視線は、すでに2017年のNBAファイナルに向いている。