写真=Getty Images

テストマッチ5試合で平均得点102.8、平均失点59.8

8月1日、ヒューストンのトヨタ・センターで行なわれたアメリカ代表vsナイジェリア代表のエキシビションマッチは、19得点の活躍を見せたカーメロ・アンソニーがチームを引っ張り、アメリカが110-66で完勝した。予定されていたテストマッチ5試合を全勝で終えたチームUSAは、いよいよリオに向け出発する。

当初は2日にチーム練習が行なわれる予定だったが、ヘッドコーチのマイク・シャシェフスキーは、個人練習へと予定を変更。選手たちは、それぞれに必要と感じるメニューをこなし、リオ五輪の開幕に向けて集中力を高めている。

ナイジェリア戦で14得点を挙げたケビン・デュラントは、「とにかく勝たないといけない」と、今大会での目標についてシンプルに語った。「どういう試合になろうと、僕たちは勝たないといけない。気にしているのは結果だけ。あとのことは、自然の成り行きに任せる」

5試合のテストマッチを終え、アメリカは平均102.8得点を記録し、失点を平均59.8に抑えた。練習試合とはいえ、五輪本大会予選ラウンドで同じグループAに属しているライバル国の中国とベネズエラには、改めて格の違いを見せつけた。

パフォーマンスの中身に踏み込むと、目立つのはチーム一丸となった堅いディフェンスだ。テストマッチ5試合で被フィールドゴール成功率をわずか平均34.6%に抑え、1試合平均19.6回ものターンオーバーを相手から引き出し、チームリバウンド数で平均21.4本上回っている。

デマーカス・カズンズ、デアンドレ・ジョーダン、ドレイモンド・グリーンがインサイドを固める。ペリメーター内ではカイリー・アービング、ジミー・バトラー、ポール・ジョージが目を光らせて、アウトサイドからのシュートを簡単には打たせない。ナイジェリア戦ではアービングとジョージが欠場しながらも、アメリカはナイジェリアにわすか4本(29本中)しか3ポイントシュート成功を許さなかった。

微修正は必要だろうが、チームUSAは完全に五輪モードに入ったと見ていいだろう。

「自分たちがあるべき姿と思っていた状態に近い。もうすぐのところまで来ている」と話すデュラントの表情からも、チームへの手応えがうかがえる。「リオでの試合を楽しみにしているよ」

3大会連続金メダル獲得を最低限の目標に置くアメリカは、現地時間8月6日に予選ラウンドの初戦で中国と対戦する。以後のスケジュールは以下の通り。

8月 6日 アメリカvs中国
8月 8日 アメリカvsベネズエラ
8月10日 アメリカvsオーストラリア
8月12日 アメリカvsセルビア
8月14日 アメリカvsフランス
8月17日 準々決勝
8月19日 準決勝
8月21日 3位決定戦/決勝

オリンピック前最後のテストマッチを完勝し、観客の声援に応えるアメリカ代表。各国の代表を相手に平均失点が60を切るという圧倒的ディフェンス力。金メダルに向け死角は見当たらない。