ジョナサン・アイザック

「自分の信仰を貫き、発言する機会を得られた」

NBA2019-20シーズンはレイカーズの優勝で幕を閉じた。NBA再開後の新型コロナウイルス陽性者はゼロと、徹底したウイルス対策が奏功し、『バブル』でのNBA再開は成功したと言える。だが、すべてが完璧だったわけではなく、バブルではケガ人が続出した。ファイナルではヒートのゴラン・ドラギッチとバム・アデバヨがケガのためほとんど試合に出場できなかった。

中でも最悪のケガを負ってしまったのはマジックのジョナサン・アイザックだった。アイザックはキングス戦でドライブを試みた際に左膝前十字靭帯を断裂、来シーズンは全休の可能性が高い。

アイザックのケガは不運だったが、今年1月にも膝をケガして長期離脱していた彼を復帰させた球団の判断には批判が集まった。しかし、アイザック本人はバブルで復帰したことに関して「後悔していない」と『The Athletic』とのインタビューで語った。

「振り返ってみても、戻ってくるのが早すぎたとは思わない。僕は本当にプレーする準備ができていた。動作やプレーの面で何の疑問も持っていなかった。プレーの映像を見れば分かると思うけど何の問題もなかったんだ。休みを終えた後で最高の状態だったんだ。体調も最高だった。これまでのキャリアの中で一番高く飛べていた。だから復帰したことやそのタイミングについて後悔はしていない。スタッフを信頼していたし、結局は僕が決めたこと。決断ができてよかった」

また「バブルに行ったことで自分の信仰を貫き、発言する機会を得られた」と語ったように、アイザックはNBA再開初戦で『Black Lives Matter』シャツの着用と国歌斉唱中の片膝立ちを拒否したことで話題になった。

重大なケガを負ってから球団の判断を非難することは簡単だ。それでもアイザックのような若い選手を過保護にしてはいけないし、当時はケガも完全に回復していたので試合に出るなと言う方が難しいだろう。いずれにしても、過去を振り返って議論をしても意味はない。アイザックにとっては不運だったが、彼がポジティブな姿勢を維持できていることはチームにとっても励みになる。アイザックはまだ23歳と若く、高いポテンシャルを秘めている。彼ならこの経験を糧とし、さらなる成長を遂げてくれるはずだ。