ラジョン・ロンド

「一生の思い出になるだろうね」

レイカーズはNBAファイナルでヒートを4勝2敗で退け、通算17回目の優勝を達成した。これでセルティックスの持つリーグ記録に並んだ。

レイカーズとセルティックスは名門チームであり、ライバルチームとしてNBAの歴史を築いてきた。そして、ラジョン・ロンドは1960年にレイカーズがロサンゼルスに移転して以降、両クラブで優勝を達成した初の選手となった。

ロンドはキャリア2年目の2007-08シーズンにポール・ピアース、レイ・アレン、ケビン・ガーネットの『ビッグ3』とともに初優勝を経験。その後、セルティックスの中心選手として活躍し、リーグ屈指のポイントガードへと成長したが、2012年に右膝の前十字靭帯断裂の重傷を負ってからは下降線を辿った。

マーベリックスに所属した2014年には、ヘッドコーチとの確執が深まりプレーオフでの出番はほとんど訪れず、その後移籍したキングス、ブルズではチームを立て直せずにプレーオフ出場を逃した。ロンドは『NBA.com』の取材に対し、「10年目、11年目にキャリアの状況が変わった。僕の在籍チームは優勝を期待されていなかった」と当時を振り返っている。

だが、昨シーズンに加入したレイカーズでセカンドユニットの役割を与えられ、ロンドは輝きを取り戻した。特に今シーズンのプレーオフでは、レギュラーシーズン以上の活躍を見せる『プレーオフ・ロンド』の異名に相応しいパフォーマンスを披露した。ファイナル第6戦でも前半だけでフィールドゴール6本すべてを成功させ、13得点、4リバウンド、2アシストを記録し、優勝を決定付けた。

ロンドはベンチから16試合に出場し、平均24.7分のプレータイムで8.9得点、6.6アシスト、1.4スティールを記録。ロンドが積み上げた105アシストという数字は、マヌ・ジノビリの持つ95アシストを抜き、プレーオフでのベンチプレーヤーの最多記録となった。

紆余曲折を経て、12年ぶりに達成した2度目の優勝は格別だとロンドは言う。「僕にとって長い時間だった。自分を取り戻し、このチャンピオンシップで大きな役割を果たすことができたことは間違いなく最高の気分だ。一生の思い出になるだろうね」