デマー・デローザン

写真=Getty Images

エースに試練を与えるスパルタコーチ

昨シーズン、東カンファレンス首位でプレーオフに勝ち進んだものの、カンファレンス・セミファイナルではレブロン・ジェームズを擁するキャバリアーズに完敗を喫したラプターズ。シーズン終了後には、7年間チームを率いたドウェイン・ケーシーを解任する決断を下し、直近の5年でアシスタントコーチを務めたニック・ナースを新ヘッドコーチに起用した。

ナースは、早速新たなチームを作るべく、生え抜きエースであるデマー・デローザンに宿題を出した。新シーズンからは、守備でも以前より貢献することを求めたというのだ。

『SiriusXM NBA Radio』に出演したナースは、「ウチで大金を稼いでいる選手には、もっとやってもらわないといけない。プレーオフの毎試合で素晴らしいプレーをする必要はないが、アベレージ並のパフォーマンスをしてもらわないといけない」と語った。

デローザンは、ウィザーズとの1回戦では平均26.7得点を記録したのだが、キャブズとのシリーズでは平均16.8得点までスタッツが落ち込んだ。大きな得点源の彼がオフェンスで貢献できなければ勝ち目はない。しかし、エースである以上、シュートが不調でも、ディフェンスで相手エースを封じれば最低限の務めは果たせる。ナースがデローザンに求めているのは、そういうプレーなのだろう。

「デマーとは話した。彼には、以前よりディフェンスにも集中してもらいたいと伝えた」とナースは言う。「彼を対戦チームのオールスターにぶつけるかもしれない。初めは大変かもしれないが、その経験で学んでもらいたい。チームとしても、彼には試練を与える必要がある。もう少し責任を科す必要がある。彼も理解してくれている」とも。

リーグ屈指のスコアラーとしての地位を確立しているデローザンが、よりオールラウンドな選手に成長できるかどうか。ラプターズが次のステップに進むためには、デローザンの進化が欠かせない。