取材=小永吉陽子 構成=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

「どういう形であれ勝ちという結果が欲しい」

今夜、バスケットボール日本代表はワールドカップアジア1次予選の最終戦、アウェーでチャイニーズ・タイペイと対戦する。ここまで1勝4敗で並ぶ両チーム、勝者がグループ3位で2次予選へと勝ち進む、まさに『生きるか死ぬか』の戦いだ。

日本代表は先週にアジア最強のオーストラリアを相手にアップセットを成し遂げて勢い付いている。ただ、チャイニーズ・タイペイは2月にホームゲームで1点差で敗れた相手だ。竹内譲次は昨日の前日練習後に取材に応じ、「1試合だけで自分たちが変に過信しないように、地道に一歩ずつできることを増やしていかなきゃいけない」とベテランらしく気を引き締めた。

オーストラリア戦の勝利からは頭を切り替え、チャイニーズ・タイペイとの試合に集中する。そこで意識するのは、やはり前回の悔しい敗戦だ。「言い訳になりますが勝てる試合だったとは思います。自分自身もチームの力になれなかったっていう思いがあるので、どういう形であれ勝ちという結果が欲しいです」と竹内は言う。

「負ければ本当に終わりで、一昨日の勝ちも意味がないですし。オーストラリアに勝った自信を緩めないように。最初の目標は『明日絶対に勝つ』で、それは本当にチームで強く持たなければいけないと思います」

豊富な経験に思い切りの良さが加わった竹内に期待

オーストラリア戦の勝利はまさに歴史的勝利だったが、本当に男子日本代表がバスケ界を変えていくには、今夜のチャイニーズ・タイペイ戦に勝利して、ワールドカップへの道を進まなければいけない。「(フリオ・ラマス)コーチも、明日のために1か月やってきたと練習で言っていたので、そこは集中です。最初の目標に向けてしっかりやります」と必勝を誓った。

竹内はアルバルク東京の一員としてBリーグ優勝の原動力となり、日本代表でも八村塁、ニック・ファジーカスとポジションを争う環境に刺激を受けて好調をキープ。韓国との国際強化試合でも先週金曜のオーストラリア戦でも突出したパフォーマンスを見せ、日本代表の大きな武器となっている。豊富な経験に思い切りの良さも加わった今の竹内には大いに期待したい。

チャイニーズ・タイペイ戦は今夜、日本時間20時に試合開始となる。