今オフはシュート改善に向けた猛特訓の最中
2017年のドラフト全体1位指名を受けたセブンティシクサーズのマーケル・フルツ。そのルーキーイヤーは期待外れの結果に終わった。
周囲からの評価も高かっただけに、本人も悔しさを感じているに違いない。2年目の名誉挽回に向け、そのフルツが猛特訓中であること、そしてこれまで周囲が知らなかった秘密を、トレーナーのドリュー・ハンレンが明かしている。
『Talking Schmidt Podcast』に出演したハンレンは、フルツの現状をこう語る。「彼とは毎日練習している。今は身体改造の途中で、シュートをスムーズに打てるように、ストロークを元に戻そうとしている段階。当初は実戦で使えるジャンプシュートを打てるまで6週間かかる想定だったが、予定よりかなり早く進んでいる。夏の終わりまでにはパーフェクトな状態になる」
昨シーズンのフルツはジャンプシュートを積極的に打とうとしなかった。これは当初、右肩のケガが原因でフォームを崩したとみられていたが、その後に噂として浮上した『イップス』であったことをハンレンは明かしている。
『イップス』とは心因性によるスランプで、突然本来の動きやプレーができなくなること。フルツは全体1位指名選手としてスタートダッシュに成功できなかったことに悩み、その重圧がイップスに繋がったのだろう。幸い、今のシクサーズはジョエル・エンビード、ベン・シモンズ、ダリオ・シャリッチがコアに成長し、フルツが一人で重圧を背負う必要はない。
シクサーズは、今夏フリーエージェントになることが濃厚なレブロン・ジェームズの獲得に動くと見られているが、仮にレブロンが加わらなくとも、フルツが本来のプレーを取り戻せばそれだけで大きな戦力アップになる。
そのポテンシャルの高さは、今年の4月11日のバックス戦で達成したNBA史上最年少(19歳と317日)でのトリプル・ダブル(13得点10リバウンド10アシスト)というパフォーマンスを見れば明らか。『イップス』を克服し、2018-19シーズンはコート内で躍動するフルツ本来の姿が見られることを願うばかりだ。