マヌ・ジノビリ

写真=Getty Images

アルゼンチン代表『最強世代』の仲間を語る

NBAファンにとって今オフ最大の関心事は、今夏フリーエージェントになることが濃厚のレブロン・ジェームズら大物選手の移籍先、そしてレイカーズへのトレードを要求したと報じられたスパーズのカワイ・レナードの行き先だろう。それと同時に、進退を決めかねているベテランの決断にも注目が集まっている。

レブロンの盟友ドウェイン・ウェイドは、現役を続けるか熟考しているところ。プレーするとしてもヒート以外と契約する気はないと明言。36歳のウェイドより5歳年上のマヌ・ジノビリもまた、来シーズン開幕をスパーズの一員として迎えるかどうか、結論を出さなくてはならない。

そのジノビリと同じアルゼンチン出身で、ともに2004年のアテネ・オリンピックで母国の金メダル獲得に貢献した元NBA選手ファブリシオ・オベルトが、『Hoops Hype』とのインタビューでジノビリについて言及した。

2007年にスパーズの優勝に貢献したオベルトは、2010年に心臓疾患を患い、現役を引退。現在は『ESPN』の解説者としてバスケットボールに携わっている。アルゼンチン代表史上『最強の世代』と呼ばれる2004年のチームで、ジノビリとともに同大会準決勝でアメリカ代表を打ち破ったオベルトは、40歳を超えた今も第一線でプレーし続けている元チームメートについて「彼は、毎年のように選手としての自分を作り直している」とコメントしている。

「シーズン開幕時期にはすごい情熱を持ってプレーしているし、シーズンが終わればバスケットボールは彼の仕事ではなくなる。NBAレベルでプレーし続けるには、毎年レベルアップしないといけないし、身体もしっかりケアしないといけない。僕が知る中で、マヌはそれらのことを誰よりも高いレベルでやれる選手。このリーグでも、彼はそれだけ大きな存在の一人だ」

また、来シーズンもジノビリがプレーしている姿が想像できるかと聞かれたオベルトは、「友人としては、彼が幸せなところを見たい。もう実力を証明する必要はない。それでも、彼は競争心にあふれる選手で、まだまだチームを助けられる。僕個人の意見では、彼がプレーするところを見たい」と言う。

「それでも、人生は日々変化する。重要なことも変わる。彼の決断を待つしかないね」

スパーズとの契約は、2018-19シーズン終了まで残っている。出場時間こそ減少しているが、自身の役割を理解しているジノビリは、いまだに勝負どころで違いを生み出せる存在だ。ただ、どのタイミングで引退を決意しても、周囲は彼の決断を尊重するだろう。それでも尚、変幻自在のプレーをまだ見たいという声は根強く残っている。大半のファンは、オベルトと同意見のはず。今はいずれ出されるであろう彼の決断を待つしかない。