ジミー・バトラー

「今は今日のことを考えて、明日は明日のことだけを考える」

第一シードのバックスを撃破し東カンファレンスファイナルに進出したヒートは、NBAファイナル行きの切符をかけてセルティックスと対戦する。

バックスと対戦したカンファレンスセミファイナル前にはアンダードッグ(格下)と見られていた彼らだが、リーダーのジミー・バトラーを中心にまとまり、ハードワークを貫いて下馬評を覆した。

バトラーは、相手がセルティックスに決まった後も冷静に現状を分析している。現地12日の会見でも「大事なのは自分たちのプレーに集中すること」と語った。

「ラウンドごとにスカウティングリポートの内容も変わるし、チームのスキームも変わる。セルティックスには素晴らしい選手がいるけれど、それはウチも一緒。相手のことばかり意識するわけにはいかない。自分たちに何ができるのかを考えるべきだし、攻守ともに自分たちのベストなスタイルでプレーすることが大事。シーズンを通してやってきたことだから、これからも続けないといけない」

今回のシリーズでもアンダードッグという立場に立つかどうかを聞かれると、バトラーは「自分たちはアンダードッグだとは思っていない。今の状況が相応しいチームだと思っている」と、さらりとコメント。ファイナル進出まであと4勝、そして優勝まであと8勝という状況だが、バトラーは目の前にある課題だけを意識している。

「今は1日1日を大事にしている。1試合1試合を大事にやらないといけない。先のことなんて考えられないよ。あと4勝、あるいは8勝なんて考えられない。まずは目先の1勝。それから2勝目を取りにいく。今は今日のことを考えて、明日は明日のことだけを考える」

セルティックスとのシリーズでは、バトラーと同様にメンタルが強く、リーグ屈指のディフェンダーとして知られるマーカス・スマートとのマッチアップが注目されている。しかしバトラーは「彼と自分との1対1を強調しないでもらいたい。そんな風にはならない」と、落ち着いた口調で答えた。

「彼一人だけでセルティックスを勝たせることはできないし、自分一人の力だけでウチが勝てるわけでもない。チームが勝つために何をすれば良いかを考えないといけない。お願いだから、彼との対決を強調しないでもらいたいね」

キャリア初のカンファレンスファイナルを前にしても、バトラーは浮き足立つことなく、ただその時が訪れるのを静かに待っている。