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チームプレーに徹したMVP「批判が努力の理由になる」

ウォリアーズはNBAを2年連続で制し、ケビン・デュラントは2年連続でファイナルMVPに輝いた。第1戦こそマッチアップするレブロン・ジェームズを止められず、そのパフォーマンスに疑問符が付けられたが、アジャストするまでに時間はかからなかった。第2戦以降はキャブズの絶対的なリーダーを抑え込み、攻守でチームを引っ張った。第4戦ではファイナルで初のトリプル・ダブルを記録。最高の勝利となった。

デュラントは2年前にウォリアーズ移籍を決断した際に、「勝てるチームに移籍する」という選択を批判され、ウォリアーズ以外のバスケットボールファンを敵に回した。それでも、2シーズン連続で優勝し、ファイナルMVPになったことを「良い気分だよ」と率直に喜ぶ。

「僕が成し遂げたことについて、現役選手やOBにもいろいろ言いたい人はいるだろう。でも、僕はプロバスケットボール選手として、自分とチームのためにプレーしているだけなんだ。そのことを誇りに思っているし、他のことは雑音でしかない」

強すぎるチームにはアンチも生まれる。ウォリアーズは最も多くのファンを抱えるチームであると同時に、多くのアンチも存在する。だが、それもデュラントに言わせれば「それだけ素晴らしいチームだということ」だ。

「酷評されても批判されても嫌われても、全員から警戒されるチームであることは良い気分だよ。それがチームを強くするという側面もある。僕らはどの試合でも、常に優勝チームとしてのパフォーマンスをしなきゃならない。批判が努力の理由になる」

サンダー時代からリーグ屈指の実力者だったデュラントは、王者ウォリアーズでの2年間で名実ともにNBA最高のプレーヤーとして認められるに至った。まだ29歳で、キャリアの絶頂期はまだしばらく続く。来シーズンのデュラントはどんな目標に向かって進むのだろうか。