写真=野口岳彦

ブエノスアイレスでWNBA参戦中の渡嘉敷来夢が合流

女子日本代表は今日、成田空港から南米へと旅立った。いったんはアルゼンチンのブエノスアイレスに入り、ここでWNBA参戦中の渡嘉敷来夢がチームに合流。アルゼンチンでは時差対策や現地環境への順応などのコンディショニングをメインに1週間を費やし、ブラジルのサンパウロへと移動して最終調整。そしてリオ・デ・ジャネイロに入って本大会開幕を迎える。

内海知秀ヘッドコーチは「セネガルとの試合以降、選手たちのコンディションも良いし、練習を見ていてもシュートの確率が非常に良くなってきている。調子は上がってきています」と手応えを感じている様子。南米入りした後は、途中合流となる渡嘉敷と他の選手との連携を作り上げること、そしてマンツーマンだけではなくゾーンディフェンスを磨いて、守りのバリエーションを増やすことが課題となる。

吉田亜沙美キャプテンはリオ本番を直前に控えた今の心境を、「私たち全員が初めてのオリンピック出場で、プレッシャーがない分だけ開き直ってやれると思います」と語った。

もっとも、内海ヘッドコーチは2004年のアテネでも日本代表の指揮を執り、五輪を経験済みだ。「今は良い意味での緊張感があります。でも、現地に行ってからプレッシャーを感じるかもしれません。多分、感じることになるでしょう。その時には我々がケアして、より良い状態で試合を迎えさせてあげたいと思います」と内海は言う。指揮官が五輪を経験していることは、かくも心強い。

吉田亜沙美「ここまで来るのに10年かかりました」

出発を前に、吉田はあらためてリオ五輪への抱負をこう語ってくれた。

「私自身、やっとの思いでつかみ取ったオリンピックです。ここまで来るのに10年かかりました。悔しい思いもたくさんしてきているので、このオリンピックで報われるよう、全力でやってきます。日本の走るバスケットを展開して、皆さんに夢を与えられるよう全力で頑張ってきます」

リオ五輪本大会の初戦まであと3週間。内海ヘッドコーチ、吉田キャプテンを始め、どの選手も「初戦と第2戦に照準を合わせて準備する」と口を揃える。8月6日のベラルーシ戦、そして8月8日のホスト国ブラジル戦。特に初戦をどのような状態で迎えられるかが、日本代表の浮沈を大きく左右することになりそうだ。

「メダルへの挑戦」へのカウントダウンが、いよいよ始まった。