破壊力が増した『攻める』ディフェンス
秋田ノーザンハピネッツは新潟アルビレックスBBと2日続けてプレシーズンゲームを行い、初戦を97-54、第2戦を117-95で圧倒し、2連勝を飾った。
ここまで圧倒的な展開となったのは前線から激しいプレッシャーをかける、秋田のインテンシティの高いディフェンスの破壊力が昨シーズンよりも増していたからだ。一人ひとりのディフェンス力が高く、積極的にダブルチームを仕掛けては苦し紛れのパスを奪っていった。新潟はハーフコートにボールを運ぶだけでも苦労し、連携の取れたトラップディフェンスを攻略できなかった。
秋田はオフェンスではスクリーンをしっかり当ててズレを作り、ペイントタッチとパスアウトの連続で確実にノーマークを作り出していった。特に第2戦では39本もの3ポイントシュートを放っている。ミドルシュートよりも3ポイントシュートに価値を置く、今のバスケのトレンドに合わせる意思が見て取れた。
指揮を執る前田顕蔵ヘッドコーチは「全体的に非常にオフェンシブな展開になった試合でした。速い展開にもっていきたかったのですが、ここまでになるとは思っていませんでした。まずはこの2日間非常に楽しかったです」と、第2戦後に語っている。
また、第1戦後には「今シーズンのチームの編成上、日本人選手が躍動しないといけない中で、秋田の強みでもある激しいディフェンスから速い展開でオフェンスに持っていきたいというところが少しずつ形になってきていると思います」とコメント。強みを前面に押し出しての圧勝だったにもかかわらず、控えめな発言に留まった点で、新シーズンに向けた思いの強さが伝わってくる。
プレシーズンということもあり、互いのコンディションやチームの完成度に差があったかもしれない。それでも、秋田が見せた強固なディフェンスが東の強豪にどこまで通用するか、期待が高まる内容であった。