バックス

強行出場のアデトクンボは第2クォーター序盤に再びケガ

東のカンファレンスセミファイナル、バックスvsヒートの第4戦。カンファレンス首位のバックスは0勝3敗と後がない状況で、エースのヤニス・アデトクンボが右足首の捻挫を抱えながら強行出場した。

コートに立てばケガの影響は感じさせず、第2クォーター序盤まで11分の出場で19得点4リバウンドを記録したアデトクンボだが、アンドレ・イグダーラをかわしてシュートに行った際に右足首を再び捻挫。第2クォーター開始2分弱で30-31と1点ビハインド。ここでアデトクンボがプレー続行不能となったが、バックスはチーム一丸となってヒートに対抗する。

目立ったのはオフェンスでのバランスの良さだ。アデトクンボが抜けてクリス・ミドルトンにボールを集めすぎるのではなく、エリック・ブレッドソーとジョージ・ヒル、ドンテ・ディビンチェンゾとバックコート陣が積極的にアタック。それまでアデトクンボを徹底的にマークしていたヒートに守りどころを絞らせなかった。第4クォーターの最後、1点ビハインドの場面でもミドルトンが相手を引き付けてパスを出し、残り1.9秒でのディビンチェンゾのフリースローで追い付き、延長戦に持ち込んだ。

107-107で迎えた延長戦では、疲労を感じさせない激しいディフェンスを徹底。延長開始早々にジミー・バトラーにダンクを叩き込まれたが、その後の4分間はバトラーに自由を与えず、無失点で切り抜ける。バム・アデバヨを始めとするヒートの球際の強さに押し込まれ、またルーキーのタイラー・ヒーローに土壇場で連続3ポイントシュートを浴びて試合は最後までもつれたが、最後まで集中を切らすことなく118-115と逃げ切った。

ゲームハイの36得点を挙げたミドルトンは、アデトクンボ抜きでの勝利をこう語る。「戦い続けることが大事で、僕たち全員がその姿勢を見せた。ヤニスは足首をケガしているのにチームのために戦っていたんだ。彼の復帰を願っているし、そのためにも勝たなければいけなかった」

そのアデトクンボはロッカールームでチームメート一人ひとりを出迎えており、第5戦以降でプレーできる可能性もあるが、強行出場が新たなケガを招いたのも事実。どこまでコンディションを戻せるか、プレーさせるかどうかの判断は難しいところ。

バックスにとって大きな勝利ではあるが、アデトクンボ不在のバックスを想定していなかったヒートの迷いを突いた形で、今後はさらに難しい試合になるだろう。アデトクンボのケガの状態も含め、楽観視はできない。だが、一つ勝つたびにヒートにプレッシャーを与えられるはずだ。