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「これが当たり前だなんて思っていない」

東カンファレンス・ファイナルは、キャバリアーズがセルティックスとの激闘を制し、4年連続となるNBAファイナル進出を決めた。

48分のフル出場を果たしたレブロン・ジェームズがキャブズを勝利に導いたことは言うまでもない。そのレブロンは、脳震盪の症状により欠場したケビン・ラブに代わり先発出場したジェフ・グリーンを称えた。その背景には、グリーンが乗り越えた重病が関係している。

2011年2月にサンダーからセルティックスにトレードされたグリーンは、同年の12月に大動脈瘤が発見され、開胸手術を受けた。幸い手術は成功したが、2011-12シーズンは全休。長いリハビリを経て2012年にセルティックスと再契約し、現在に至っている。

レブロンはグリーンについて「彼は数年前に開胸手術を受けて、バスケットボールを失いかけた。もう二度とプレーできなかったかもしれないのに、今では毎試合でユニホームを着て、プレーし続けている。彼が乗り越えてきたことを考えれば、自分は彼がシュートを決めようが気にしていない。ケブ(ラブ)がケガをした後、第6戦で見せたプレー、そして今日の第7戦でのパフォーマンスは素晴らしかった。本当にすごいことだと思う」と語った。

会見に出席したグリーンは、病気が発覚した直後、ファイナルでプレーする日が来ると思っていたかを聞かれ、こう答えている。

「当時は、まったく考えられなかった。自分にとっては健康状態が第一だった。復帰してからは、もちろんファイナル進出が目標だったよ。病気をしてから日々努力してきた。優勝を争う舞台に出場するためにね。全てを失いかけたのに、今こうしてファイナルについて話しができているなんて、本当に恵まれていると思う。今はコートに立てている。良いプレーができても、そうではなくても、毎日一生懸命に努力しているし、全力を出し尽くしている。これが当たり前だなんて思っていない」

グリーンは、ラブが負傷した第6戦で14得点、第7戦で19得点を記録し、チームの勝利に貢献した。ラブが5月31日のファイナル第1戦に間に合うかは分かっていないが、グリーンは攻守で貢献できる貴重な戦力の一人だ。夢だったNBAファイナルの舞台でも、コートでは目の前のプレーにだけ集中し、チームの勝利のために力を尽くすはずだ。

グリーンは意識していなくとも、コートに立ち、プレーしている姿が、病気と闘っている多くの人に勇気を与えている。