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ロバーソンの離脱がなければサンダーはもっと上に行けた?

今オフにフリーエージェントになるオプションを保持するポール・ジョージに関しては、地元ロサンゼルスを拠点にするレイカーズへの移籍が既成事実のように報じられている。

しかし、オクラホマシティの地元局『KWTV』によれば、ジョージの代理人がNBA関係者にサンダーと再契約を結ぶ意向を伝えているという。ジョージ本人の発言ではないため、これで決まりと断定することはできない。彼が契約先に求めるのは、優勝を狙えるだけの戦力を有しているかどうか。サンダーは昨夏、ペイサーズからジョージを、ニックスからカーメロ・アンソニーを獲得して『ビッグ3』路線に賭けた。

しかし、結果的にラッセル・ウェストブルック、ジョージ、アンソニーの強力ユニット『OK3』は機能しなかった。ベンチ起用を受け入れないアンソニーに関しては放出が濃厚。それでもサンダーは、ウェストブルックの相棒としてジョージに残ってもらいたいと考えているはずだ。

ジョージの去就としてはレイカーズ移籍が最有力と見なされているものの、『KWTV』は異なる見解を伝えている。同局によれば、もし今年1月下旬に左ひざ膝蓋腱断裂で戦列を離れたアンドレ・ロバーソンが健康な状態を保てていたら、サンダーはさらに上を目指せていたとジョージが考えているというのだ。

ロバーソンはエースストッパーで、超攻撃的なサンダーにバランスをもたらす貴重な存在。彼が負傷離脱するまでサンダーは機能していた。開幕からロバーソンの離脱までの平均失点がリーグ4位の102点だったのに対し、離脱後からレギュラーシーズン最終戦までは同16位の108.3点まで悪化。プレーオフには進んだものの、チームトップの『守備職人』がいなくなってから戦績が安定しなくなり、最終的にはプレーオフ・ファーストラウンドで下位シードのジャズに敗れた。

レイカーズは大物選手がフリーエージェントになる今年のオフに向け、数年がかりでサラリーキャップに空きを作ってきた。しかし、優勝できる環境を優先した場合、レブロン・ジェームズを獲得できる保証はなく、若手中心でまだ成長段階にあるレイカーズより、実績ある選手が揃っているサンダーに可能性を見い出したとしてもおかしくはない。

ジョージのキャリアにとって、今オフはターニングポイントになる。より強力な布陣を持つ他チームに加わって優勝を目指すのか、この1年で可能性を感じたサンダーに留まるのか、決断の時を待ちたい。