NBAのスター選手4名が暴力根絶を直訴
2016/07/15

写真=Getty Images

「変化を生むため、自分は何をしてきたのか?」

7月13日、『ESPN』が主催するスポーツ選手を対象とした年間表彰式『ESPY賞』授賞式が行なわれた。カーメロ・アンソニー、クリス・ポール、ドゥエイン・ウェイド、レブロン・ジェームズの4選手がこの授賞式の壇上に立ち、アメリカ国内の人種問題についてメッセージを発信した。

白人警官がアフリカ系アメリカ人を射殺した事件に端を発し、報復のため元軍人のアフリカ系アメリカ人が白人警官を殺害する事件が起こるなど、最近になってアメリカ国内では人種間の分断が特に問題視されている。

檀上に上がった4人は、それぞれが感じている自身の役割、今後社会に必要と思う変化について、声をあげた。

カーメロ・アンソニー
今、アメリカ国内で起こっている現実を無視することはできません。先週起こった事件では、権利の侵害、不信感、市民の怒りに注目が集まり、私たちの多くを苦しめました。今のシステムは崩壊しています。今、我々が抱えている問題は昔から存在するものです。人種間の分断は、昔からある問題なのです。今こそ、これまでで最も変化が求められている時期なのです。

クリス・ポール
私たちは、コミュニティ間を繋ぎ、今こそ必要な変化を起こす役割を担うため、今夜この場に立っています。何世代も前には、ジェシー・オーウェンス(元陸上選手)、ジャッキー・ロビンソン(元メジャーリーグ選手)、モハメド・アリ(ボクシング元世界ヘビー級王者)、ジョン・カルロス(元陸上選手)、カリーム・アブドゥル・ジャバー(元NBA選手)、ジム・ブラウン(元NFL選手)、トミー・スミス(元陸上選手)、ビリー・ジーン・キング(元女子プロテニス選手)、アーサー・アッシュ(元プロテニス選手)ら数多くのレジェンドたちは、アスリートとしてあるべき姿を示してくれたのです。

ドゥエイン・ウェイド
我々は、人種的分析を止めなければいけません。銃で殺害するという考え方を止めなければいけません。有色人種の価値を無視することも、止めなければいけません。そして、報復行為も直ちに止めなければいけません。もうたくさんです、我々アスリートは、これまでに続けてきた活動を、今後さらに地元で力を入れて取り組むべきなのです。多忙なスケジュールが待っていようと、会話、対話を止めるわけにはいかないのです。都合が良いこと、自分が快適に思うことばかりではないでしょう。

レブロン・ジェームズ
我々は、暴力に対し無力であることに怒りを覚えています。本当にそう感じています。ですが、それを受け入れるわけにはいかないのです。今こそ、自分自身を見つめ直し、問いかけるべきなのです。「変化を生むため、自分は何をしてきたのか?」、と。模範的な役割を担う、行動を起こすだけが大事なのではありません。今夜がモハメド・アリの偉業を称えるための場であることは承知しています。ですが、今こそ我々プロアスリートは、学び、問題提起し、言葉を上げ、自分たちの影響力を行使し、暴力を根絶させなければいけません。自分たちの地元に戻り、自分たちの時間を使い、財力を投じ、地元を再建、再生させ、変化させなければならないのです。全員がこれまで以上に取り組まなければならないのです。ご清聴、ありがとうございました。

NBAは、こうした社会問題を軽視せず、常にメッセージを発信し続けている、2017年のオールスターゲームは、ノースカロライナ州のシャーロットで開催される予定だが、同州議会が反LGBT法を可決したことで、開催地変更も検討されているほどだ。しかし、選手が自ら社会問題に言及することは少ない。それだけに、暴力問題解決に向けたジェームズらの本気度がうかがえた。

この『ESPY賞』では「ベストチーム賞」を受賞したキャバリアーズの面々も登場した。

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