トランジションオフェンス炸裂、終盤に逆転した横浜ビー・コルセアーズがB1残留

2018/05/19
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

横浜が先行するも富山が逆転するシーソーゲームに

勝者がB1残留決定となる残留プレーオフ2回戦。横浜ビー・コルセアーズvs富山グラウジーズが中立地である片柳アリーナで行われた。サバイバルマッチに相応しい白熱した戦いとなったが、速攻を連発して終盤に逆転した横浜が、79-76のクロスゲームを制しB1残留を決めた。

オン・ザ・コート数はともに「1-2-1-2」を選択。試合後、宇都直輝が「出だしは気持ちの部分で横浜に負けてしまった」とこぼしたように横浜が先手を取った。富山はアグレッシブなディフェンスが裏目に出てしまい、開始2分でチームファウルが5に到達してしまう。

横浜はこの機に川村卓也とハシーム・サビート・マンカのピック&ロールで攻め立て得点を重ね、残り3分34秒には、サビートのミドルシュートで15-5と2桁のリードを奪った。インサイドでの得点が伸びない富山はタイムアウトを取り、デクスター・ピットマンの投入で立て直しを試みるも、ウィリアム・マクドナルドのフィジカルな守りを打開できず差は縮まらなかった。

第2クォーター、満田丈太郎が宇都の速攻をブロック、田渡凌のアシストからサビートがアリウープを決めるなど、ビッグプレーを連発した横浜だが、最大16点までリードを広げた後はイージーミスを連発して流れを富山に渡してしまう。サム・ウィラードがオフェンスリバウンドからミドルシュートを沈め、上江田勇樹の3ポイントシュートで締めた富山が第2クォーターの終盤に8-0と走って、7点差に詰めて前半を終えた。

後半はインサイドの攻防を制した富山のペースに。2本の3ポイントシュートを含む7本すべてのシュートを沈め、第3クォーターだけで18得点の荒稼ぎを見せたウィラードの活躍で富山が逆転した。横浜も田渡の連続得点などで応戦するも、サビート、川村、マクドナルドがオフェンスファウルをコールされるなど波に乗れず、2点のビハインドを背負って最終クォーターを迎えた。

宇都の3ポイントシュートが外れ横浜が逃げ切り

互いに強みを生かし拮抗した展開が続くが、宇都を起点にオフェンスを展開した富山が次第にリードを広げる。宇都がディフェンスを引きつけ、ウィラードが3点プレーとなるバスケット・カウントを成功させ、残り4分10秒で富山が9点のリードを奪った。

このまま富山が押しきるかに思われたが、横浜のトランジションオフェンスがここから火を噴く。満田が3ポイントシュートを沈めると、ディフェンスリバウンドからボールをプッシュし続け、細谷将司とサビートが連続で速攻を決める。残り1分46秒、満田が走り宇都がファウルで止めるも、満田がフリースローを2投沈め、73-73の同点に追いついた。

富山はタイムアウトを要求し流れを切ろうとするも、横浜の勢いを止められない。横浜はこの終盤でディフェンスの強度をもう一段高め、宇都からターンオーバーを誘発。そしてインサイドをケアし、外のディフェンスが甘くなった隙を突き、ジェフリー・パーマーが3ポイントシュートを沈め逆転に成功した。その後、ピットマンのフリースローで1点差に詰め寄られるも、川村がファウルゲームで得たフリースローを2本とも沈め、残り14秒で3点差を保った。

富山は大塚裕土の3ポイントシュートに懸けるも、横浜はスクリーンをかいくぐりイージーシュートを許さない。大塚のシュートのシュートが外れるも宇都がこぼれ球を拾う。そして同点を狙った宇都の3ポイントシュートが外れ、横浜が逃げ切った。

宇都「締め直すことができなかったことは僕の責任です」

敗れた富山のミオドラグ・ライコビッチヘッドコーチは終盤の失速を敗因に挙げた。「最後のところまでしっかりとゲームを締めることができませんでした。ターンオーバーから2つの速攻を許し、トランジションをやられ追いつかれました。最後のほうはシュートをしっかり決めきれず、コントロールするのが非常に難しかったです」

また調子の良かった上江田勇樹が第3クォーターで4ファウルとなり、ウィラードも4ファウル、ピットマンが3ファウルとファウルトラブルに陥ったことも大きかった。「主要な選手のファールが重なり、普段のローテーションをなかなか出せなかった。ローテーションを変えないといけない、やり方を変えないといけないということで難しい展開になりました」

宇都は「途中から自分たちの良さを出せて、リードするところまでいけましたが、最後の3分間、もう一度締め直すことができなかったことは僕の責任です」と敗戦の責を負った。それでも宇都はすでに次なる戦いに意識を切り替えている。「勝てたゲームですし落ち込む気持ちもありますが、まだチャンスはあります。気持ちを切り替えてベストなパフォーマンスを出して、最低限の目標であるB1残留を決めたいです」

勝利した横浜はB1残留が決定し、敗れた富山は入れ替え戦に回ることになった。入れ替え戦は熊本ヴォルターズとファイティングイーグルス名古屋の勝者と戦うことになるが、B1ライセンスを保持していないFE名古屋が勝利した場合、富山の残留が決定する。熊本とFE名古屋の勝敗に注目が集まる。