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身体の強さを見せたテイタムのゴール下で逆転

5月9日、セルティックスvsセブンティーシクサーズの第5戦はホームの後押しを受け、アグレッシブさを維持したセルティックスが114-112で勝利した。そして、対戦成績を4勝1敗とし2年連続となる東カンファレンス決勝へコマを進めた。

試合は文字通り一進一退の攻防が続くまさに死闘となり、今年のプレーオフ最多となる21回のリードチェンジを繰り返した。だがホームの声援を力に変えたセルティックスが、最終盤にわずかに上回った。

最終クォーター残り1分37秒。セルティックスは105-109と4点ビハインドを背負ったがアル・ホーフォードのアリウープ、マーカス・スマートのティップインで同点に追いつき、そしてジェイソン・テイタムのゴール下で逆転に成功した。

セルティックス2点リードで迎えた残り10秒の場面、ジョエル・エンビードがフィジカルを生かし強引にインサイドを攻めるが、アーロン・ベインズが身体を張ってシュートを落とさせる。エンビードにオフェンスリバウンドを奪われるも、テリー・ロジアーがボールをはたきマイボールにするビッグプレーを成功させた。

その後、JJ・レディックに3ポイントシュートを許し1点差に迫られ、セルティックスは残り2.4秒でスマートがフリースローを打つシチュエーションとなった。スマートは1本目を失敗したことで、2本目をわざとミスし時間を浪費させる作戦を取った。だが外すために強く放ったボールはリングとボードのアクションによってネットに吸い込まれた。

タイムアウトが残っていないシクサーズはエンドラインからベン・シモンズが長距離パスを送るが、スマートがこれをカットしゲームセットとなった。

ヘッドコーチのブラッド・スティーブンズはホームの力を強調した。「ここに来たらどんな記録だって更新できる。だってここでは実現できないことなんてないからね」

ラスト1分半からの逆転劇は誰か一人のエースがもたらしたものではない。得点者が示すように、一人ひとりが自分の役割を遂行した結果となり、現在のセルティックスのチームバスケを象徴していた。

一方、ゲームハイの27得点を挙げてチームを牽引したエンビードは、敗戦を受けても「プロセスは終わらない」と先を見据えた。「俺たちはプレーオフへ向けたプロセスをやってきた。今回はカンファレンスファイナル用のプロセスだったが俺たちはできなかった。来年はそれがゴールになる」

ロジアーはエンビードのボールをはたいたプレーを振り返り「あれがチャンピオンシップのプレーだ」と胸を張った。エンビードの言葉を借りるのであれば、チャンピオンシップ用のプロセスを遂行できたということだ。

これでセルティックスは2年連続でキャバリアーズとカンファレンス決勝で対決することになった。セルティックスはプレーオフ直前にエースのカイリー・アービングの欠場が決まったことで、決して下馬評は高くなかった。一方キャブズもファーストラウンドで大苦戦し、決勝まで勝ち上がる可能性は低いと見られていた。それでも両チームは東の決勝まで駒を進めたことで、サプライズチーム同士の組み合わせとなった。