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先発起用の期待に応えたマッコネル

セブンティーシクサーズvsセルティックスのプレーオフ第4戦。3連敗を喫し崖っぷちに立たされたシクサーズだったが、伏兵T・Jマッコネルの活躍もあり103-92で勝利し、ホームでのスウィープを阻んだ。

シクサーズはロバート・コビントンに代えてマッコネルを先発起用。この采配が見事的中する。ファーストラウンドでは新人離れした存在感を放っていたベン・シモンズだったが、マーカス・スマートを筆頭とするセルティックスディフェンスに苦戦し、3試合で16ターンオーバーを犯すなど不振に陥っていた。だがポイントガードのマッコネルがサポート役に回ることで、ボールムーブが円滑になり、ターンオーバーも減少した。

両チームともシュートが入らない重い展開となったが、シクサーズはダリオ・シャリッチがペリメーターをしぶとく決めてつなぎ、第3クォーター終了時点で76-65と11点をリードした。

セルティックスの精神的支柱であるアル・ホーフォードを乗せないため、ジョエル・エンビードがフィジカルコンタクトでペイントから追い出しシュートを打たせず、相手に流れを渡さない。これまではターンオーバーからの失点でガタガタと崩れてしまう、若さゆえの脆さを露呈したシクサーズだったが、この日は失点しても決め返す力強さを見せ、常に2桁前後の点差をキープしてセルティックスを退けた。

シクサーズファンはこの日のヒーローを分かっていた。会場のウェルズ・ファーゴ・センターはマッコネルを称賛する『TJ』のチャントが響いた。そんなファンに対し、マッコネルはこう感謝する。「とても特別な瞬間だ。僕たちにはNBAで一番のファンがついている。暗闇に包まれた僕らを、彼らが照らしてくれたんだ」

マッコネルは決して得点力が高いプレーヤーではない。だがマッコネルを軽視し周りに意識を集中させたセルティックスディフェンスを次々と突破し、得点を量産。シャリッチの25得点に次ぐ19得点を挙げ、7リバウンド5アシストを記録。39分間プレーしターンオーバーも0と圧巻のパフォーマンスを披露したが、「ゴールが見えたら行く。もしオープンだったら打つ。それを実行しうまくいっただけ」とコメントした。

救世主マッコネルの活躍でスウィープを免れたシクサーズ。特にプレーオフのような短期決戦では伏兵の存在が勝利のカギを握ることが多い。まさにそれを証明した第4戦だった。