勝率トップでチャンピオンシップ『本命』となったシーホース三河、自信とプライド

2018/05/07
Bリーグ&国内
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文=鈴木栄一 写真=B.LEAGUE

鈴木貴美一ヘッドコーチが語るチームへの手応え

5月6日、シーホース三河はレギュラーシーズン最終戦で川崎ブレイブサンダースと対戦した。すでにリーグ全体1位の座を確定している三河にとって、この試合は消化ゲームであったが、前日に敗れた雪辱を果たすべく各選手がアグレッシブなプレーを披露して86-83で勝利。チャンピオンシップ第1シードの実力をあらためて見せ付けた。

三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは、このように試合を振り返る。「勝ち負けで順位が変わることがないゲームでしたが、昨日負けており、やっぱりチャンピオンシップに向けて良い形で終わりたい。シュートは昨日入らなかったので今日は入ると思っており、とにかく気持ちを前面に出して勝とうとプレーして、結果が出て良かったです。川崎さんは(ニック)ファジーカスが帰化した、しないに関係なくもともと良いチームです。チャンピオンシップの前に良いチームと試合ができたのはよかった」

昨シーズンの第3シードからステップアップしての第1シード獲得をもたらした要因には、テンポの速いオフェンスを増やすことができた点を挙げる。「綺麗な速攻ということではないですが、速い展開のオフェンスがスムーズに出てくるようになってきました。データに出てくる速攻は千葉さん、栃木さんが非常に多いです。ただ、我々はデータに出ないようなアーリーオフェンスも増えており、そういうところが確立されたのは良かったと思います」

「12名全員が今できることを精一杯やり続けた」

また今シーズンは、松井啓十郎、西川貴之、村上直といった即戦力の補強やベンチメンバーの底上げが光った1年でもあった。「昨年は移籍したばかりの控え選手の良いところをなかなか出せない苦しい展開でした。そのため速攻も少なくて、ハーフコートでエネルギーをあまり使わないようなバスケットになってしまいました」と指揮官は語る。

さらに「プレータイムが少ない選手も練習でしっかり頑張って、試合でも仕事をしてくれた。連敗がなかったのは12名全員が今できることを精一杯やり続けたからで、それが全体の1位につながりました」と続け、選手層が厚くなったことで速攻が増え、同一チーム相手の連敗がない安定した強さにつながったと考えている。

鈴木ヘッドコーチが大きく強調しているのは、ファンの声援がより大きくなったことによる効果だ。「去年は招待客も多かったんですが、今年はチケットを買ってくれて本当に試合を見たいという人が増えてくれました。それにより、我々も見られている意識が高まり、全員がより頑張らなければと、普段の練習からモチベーションが上がりました。」

だから、第1シード獲得によりチャンピオンシップをホームで戦えることについて「お客さんがたくさん来てくれて、あの応援のリズムのおかげで接戦をモノにするなど勝利することができた試合は多いです。ウイングアリーナの声援は力になっているので楽しみです」と大きな意義があると語っている。

栃木へのライバル意識は「言わないけど、言ってほしい」

いよいよ来週からスタートするチャンピオンシップ、三河がまず激突するのは昨シーズンのセミファイナルで敗れた栃木ブレックスとなる。「栃木さんは非常にスティールから速攻が得意で、ディフェンスへの意識が高いチームです。僕らはしっかり40分間、自分たちのバスケットを通していく。自滅しないことです」と指揮官は語る。

また、昨シーズンの雪辱という因縁については「そこを私があえて言う必要はないです。言いすぎてしまうと、選手たちは固くなって試合に入ってしまいます」と触れるつもりはない。その一方で「でもメディアの人にはそういうことをすごく言ってほしい。それが選手たちの頑張りになる。それをよく言われたことで僕らは成長できました」と、外部からの叱咤激励は大いに歓迎している。

指揮官は1年前と今の状況をこう比較する。「竜馬君の手術から始まり、最後に(桜木)ジェイアールのケガにギャビン(エドワーズ)も調子を崩しました。レギュラーシーズン最終戦をクロスゲームで負けて、なんとなく嫌な雰囲気でチャンピオンシップに入ってしまった」とは、不安を抱えながら大一番を迎えた1年前。しかし、現在は主力に大きなケガもなく、レギュラーシーズンの最後は勝利で締めくくった。鈴木ヘッドコーチが「今年は特に若い選手が自信をつけてきました。今日も川崎さんにしっかり勝ち、自信を持って迎えるところが違います」と語ったように、万全の状態で臨める三河が『本命』であることは間違いない。