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レブロン38得点「今日のような瞬間のために生きている」

クイックン・ローンズ・アリーナで行なわれた東カンファレンス・セミファイナル第3戦は、ホームのキャバリアーズがレブロン・ジェームズの決勝ブザービーターで105-103で勝利。対戦成績を3勝0敗とし、カンファレンス決勝進出に王手をかけた。

第4クォーター残り8秒、同点。『キング』レブロン・ジェームズの舞台は整っていた。タイムアウトは残っておらず自陣からのリスタート。左サイドに持ち上がったレブロンは、マッチアップしたOG・アヌノビーを一瞬のスピードで振り切ってスペースを作ると、右手1本でフローターシュートをリリース。ボールはバックボードに当たりながらも試合終了のブザーと同時にフープを通り抜け、キャブズがホームコートを守った。

キャブズはこれで無傷の3連勝。ポストシーズンでの対ラプターズ戦の連勝を9に伸ばし、昨年のカンファレンス準決勝に続き同じ相手からのスイープ(4勝0敗)まで1勝に迫っている。

上機嫌だったレブロンは、試合後の会見でブザービーターについて「とても難しいプレーだから、良い子は家で真似しちゃダメだよ」とおどけた。勝負を決める状況でのプレーについては「同点だろうと、1点差だろうと、今日のような瞬間のために生きている。ペイサーズとのシリーズでも話したけど、俺はメンタルのスイッチを切り替えられる。そういうことを、6歳とか7歳の頃から続けている」と語った。

まさに『アンストッパブル』なレブロンについては、チームメートのカイル・コーバーも「試合が決まってから数秒、言葉を失った」と話したほど。「今日の決勝点のようなシュートを練習で何回も決めているのを見てきた。シュート練習中の遊びのような感じでね。だから思うんだ。『どうすれば、プレーオフの勝利がかかった場面で、あんなシュートが打てるんだ?』とね」

ラプターズにとっては踏んだり蹴ったりだ。1年かけて打倒キャブズを実現するために準備してきたことが台無しになろうとしている。この日はフィールドゴール12本中3本成功の8得点と状態が悪く、チームが敗れる姿をベンチから眺めることしかできなかったデマー・デローザンは、悔しさを吐露している。

「ベンチから見ているだけなんて、本当に辛い。自分は絶対にチームが負けるところをベンチから見たいなんて思わない。ベンチにいた間、チームが勝ってくれればこの気持ちも晴れると考え続けていたんだけど……」

ラプターズ指揮官のドウェイン・ケーシーは「最後のシュートはレブロン以外に打たせたかったが、それを実行できなかった。今日の結果にチーム全員が傷ついている」と声を振り絞った。

やはりラプターズはキャブズ、いやレブロンに弱いのか。ここ3年のプレーオフで、レブロンはラプターズ戦で11勝2敗を記録している。2年連続でのキャブズにスイープ負けまであと1つ。ラプターズの自信は完全に打ち砕かれようとしており、ここから踏ん張り、押し返すのは相当に難しい。レブロン・ジェームズという強大な壁を前に、ラプターズは3年続けて煮え湯を飲まされようとしている。