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司令塔ロンドはプレーオフでのキャリアハイ21アシスト

王者ウォリアーズがホームで2連勝して迎えた西カンファレンス・セミファイナル第3戦は、場所をニューオーリンズに移して行なわれた。敵地で辛酸を舐めさせられたペリカンズの気合は十分すぎるほどで、ほぼ完璧と言えるオフェンスとディフェンスでウォリアーズを圧倒。序盤からリードを広げて付け入る隙を与えず、119-100で快勝した。

ペリカンズのオフェンスを牽引したのはアンソニー・デイビスと、司令塔のラジョン・ロンド。デイビスが33得点18リバウンド3アシスト4スティールの大暴れを見せれば、ロンドも10リバウンドに加えてプレーオフでのキャリアハイ21アシストでオフェンスを演出し、シリーズ初勝利をチームにもたらしている。

試合後「チームメートがいなかったらアシストはつかない」とコメントしたロンドは、ノールックパスや、相手を引き付けてのキックアウトを頻繁に決めたわけではなかった。ただ、彼のパスには必ず意図があり、パスコース、パスが出されるタイミングをチームメートが鋭敏に感じ取ってポジショニングを考えていた様子が見て取れた。そして彼らは、ボールを受ければ絶対に得点機会を生かした。ペリカンズの最大の勝因は、ロンドが脳内で見ていた映像をコート上で共有できていたことだ。

ロンドは自身の『アシスト・ショー』を「すべては守備から始まる。今日は相手のプレーを止めて、そこからトランジションを仕掛けてミスマッチを生み出せた。チームメートがスポットを見つけて動いてくれたから、自分は彼らを探していただけ」と振り返っている。

また、ペイント内の得点で54-36、リバウンド数でも54-44でウォリアーズを上回った他、王者の武器である3ポイントシュートも31本中9本しか決めさせなかったのも大きい。完全にペースを乱されたウォリアーズは、成す術なく敗れた。

ヘッドコーチのスティーブ・カーも完敗を認めた。「今日の試合で見られたものの大半は、ペリカンズに本来備わっているもの。彼らのディフェンスは素晴らしかった。今日の彼らは侵略者。ホームで試合を支配するために必要なプレーを実行していた。これがプレーオフの潮の満ち引きというやつだ」

『満潮』状態のペリカンズの脅威は証明された。第4戦でも同じくデイビスとロンドにしてやられれば、王者の余裕は消えてなくなる。