「オリンピックの前に国際試合を8試合やりたい」
日本バスケットボール協会は『バスケットボール日本代表 2020年度強化方針に関するメディアブリーフィング』をオンラインで実施。男子日本代表のヘッドコーチを務めるフリオ・ラマス、女子日本代表のヘッドコーチを務めるトム・ホーバスがそれぞれメディア対応を行った。
ラマスヘッドコーチは11月に代表合宿を実施することを発表し、その後の活動に関しても言及した。「長期間活動ができない状況が続いたが、11月に久しぶりに濃い内容の合宿ができる。もう一度イチからチームを見直してやっていく気持ちで臨む。2月にアジアカップ予選が控えていて、この2試合に関してはチームのさらなる成長を遂げるためにしっかり準備をして、結果を求めてやっていきたい。2月以降はまだ決まっていないが、オリンピックの前にヨーロッパかアメリカ大陸のチームと国際試合を8試合やりたいと思っている」
ラマスヘッドコーチは候補選手たちと直接会ってはいないが、アドバイスを送っていたという。「活動停止の状況の中で自宅でできることはあると伝えた。トレーニングやバスケットの技術はやらなければ衰えるのでやり続けることに価値がある。人間だから緩むこともあり、選手としては危険な状況だ。選手としての価値が下がるのを避けるためにもコミュニケーションを取ってきた」
合宿はまだ先だが、8月16日には『BASKETBALL ACTION 2020 SHOWCASE』の開催が決まっており、久しぶりに代表選手たちと再会する。ラマスヘッドコーチは「ファンにとってもチームにとってすごくポジティブ」と話した。
「新型コロナウイルスの影響で世界中のスポーツが止まってしまった。厳しい状況が続く中でみんなに会えるのはうれしいし、スポーツにかかわるすべての人にエネルギーを与える良いニュースになる。苦難を乗り越えてオリンピックに臨めることを夢見ているし、日本のみんなにも良い夢を与えたい。このパンデミックを超えて、オリンピックの舞台にみんなで立ちたい」
各クラブが練習を開始「これはアドバンテージ」
女子日本代表を指揮するホーバスも『BASKETBALL ACTION 2020 SHOWCASE』を心から楽しみにしている。「本当にこのイベントは楽しみ。選手たちとは6カ月間も会っていないから、みんなの顔を見れるとうれしいし、お客さんも僕らのチームを見るとモチベーションが上がると思う」
女子日本代表は今後に向けて練習試合や遠征を計画していたが、新型コロナウイルスの影響ですべてが頓挫した。それでも、日本では練習を開始しているクラブが多く、他国に比べて有利だとホーバスヘッドコーチは言う。「練習できていない国が多く、日本はみんながバスケットをやっている。5対5もできているし、これはアドバンテージだと思う」
今回の候補選手の中には引退から復帰した吉田亜沙美の名前がない。出産から復帰を果たした大﨑佑圭も現役引退を先日発表し、精神的支柱となる選手を欠く。こうした状況の中、ホーバスヘッドコーチは若手の奮起を期待している。「メイングループ以外の3番ポジションとビッグマンのベンチメンバーをずっと探したいたが、まだ誰もステップアップできていない。例えば(馬瓜)エブリン、(オコエ)桃仁花、谷村(里佳)、宮下(希保)、彼女たちは良いチャンスがあると思う。これからステップアップしてほしい」
最後にホーバスヘッドコーチは「ポジティブに考えましょう」と笑顔を見せた。まずは、今後の方針を決定し一歩前進した日本代表が集う『BASKETBALL ACTION 2020 SHOWCASE』を楽しみたい。