文・写真=鈴木栄一

ホーム最終節は黒の復刻ユニフォームを着用

4月27日、川崎ブレイブサンダースが本拠地とどろきアリーナで京都ハンナリーズと激突。試合終盤までもつれる熱戦となったが、ここ一番でのディフェンス力が光った川崎が、85-80で熱戦を制している。

第1クォーター、中盤になると京都が岡田優介の3ポイントを皮切りに7連続得点を挙げて8-16と先行する。川崎も谷口光貴の3ポイントなどで追い上げ、終盤にジョシュ・デービス、ルー・アマンドソンの連続得点により21-19と逆転して終える。

第2クォーターに入っても互角の展開が続くが、川崎は序盤に篠山竜青が負傷退場する痛恨のアクシデントが発生。しかし、ニック・ファジーカスがこのクォーターで9得点を挙げる奮闘を見せる。一方、京都も片岡大晴がシュート4本中4本成功の8得点をマークするなど応戦。川崎の44-43で試合を折り返した。

第3クォーターに入っても残り約4分半に京都の晴山ケビンが3ポイントシュートを沈め、川崎の55-53と一進一退の攻防が続く。だが、川崎はここからジョシュ・デービスの活躍など連続8得点で65-58とリードを広げた。

篠山負傷のアクシデントも辻、藤井が活躍

第4クォーター早々、京都は伊藤達哉がスティール奪取から速攻を決めて流れを引き寄せ、残り約6分には片岡の連続得点で67-68と勝ち越す。それでも川崎は藤井祐眞、辻直人が要所で3ポイントシュートを決めて再び勝ち越すと、残り約1分、藤井の本日4つ目となるスティールから辻が速攻を決めてリードを7点に広げ、そのまま粘る京都を振り切った。

川崎の北卓也ヘッドコーチは、「我慢をして戦ったことが良かったです。終盤、ルーズボールとかそういうところで相手の攻撃を抑えられたことで勝利をつかめました」と勝因について語る。さらに「京都さんは浜口ヘッドコーチに鍛えられて本当に良い意味で嫌らしいバスケットボールをするという感じがしました。そこで我慢をしてチーム一丸となって戦ったことがうれしかったです」と続けた。

この試合、川崎は篠山が前半に負傷退場したが、ファジーカスが26得点に13リバウンド、辻が17得点に4アシスト。さらに藤井が15得点、5アシスト、4スティールと主力選手たちがしっかりと数字を残した。

敗れた京都の浜口炎ヘッドコーチは敗因を次のように語る。「良い時間もたくさんあったと思いますが、川崎さんのディフェンスのプレッシャーに最後は苦しみました。どのチームとやる時もそうですが、特に川崎さんのような強豪となる時はターンオーバーが18では、厳しい戦いになります」

今回、京都は司令塔の綿貫瞬、そしてボールハンドリングに優れた外国籍のジュリアン・マブンガが揃って欠場。その結果、約36分出場と伊藤への負担が大きくなり、それも影響したのか、6ターンオーバーを喫したのは痛かった。

東芝を母体とするチームにとって最後のホームゲーム

川崎にとって今節は、東芝を母体とする現在のチーム体制にとってレギュラーシーズン最後のホームゲーム。天皇杯、リーグ戦の2冠を達成した1999-00シーズンのデザインを踏襲したレッドサンダース時代の黒の復刻ユニフォームを着用して試合に挑んだ。

「明日、レギュラーシーズンのホーム最終ゲームなので良い準備をして終われるようにしていきたい」と指揮官が締めくくったように、川崎としては今日の勢いを28日も維持し、勝って節目の試合を終えたいところだ。