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「ファンやチームメートを誇らしい気持ちにさせたい」

プレーオフ1回戦の第5戦、ここまで2勝2敗のキャバリアーズはホームにペイサーズを迎えた。過去4戦と同様に混戦となったが、最後はレブロン・ジェームズが『現役最強選手』であることを証明するかのごとく、同点で迎えたラスト3秒でビクター・オラディポのシュートを叩き落すと、決勝ブザービーターとなる3ポイントシュートをねじ込んでチームに勝利をもたらした。

レブロンは44得点10リバウンド8アシストと大活躍。第2クォーター中盤からの劣勢を覆すラッシュ、32-17と圧倒した第3クォーター、そしてラストプレーと、『キャブズの時間帯』はすべてレブロンが演出したもの。レブロン依存は深刻だが、レブロンという大エースを盛り立てることでペイサーズをねじ伏せているのもまた事実だ。

この試合のキャブズは相手エースのオラディポに対してダブルチームを徹底。試合を通じてフィールドゴール15本中2本成功の12得点と沈黙させる。それでも最終クォーター、ボールへの執着心をむき出しにしてリバウンドで圧倒するペイサーズに残り33秒で95-95と追い付かれた。

キャブズはその前の4分間で得点が生まれず、際どい局面に立たされていた。追い付かれた直後のオフェンスではレブロンの1on1がサディアス・ヤングの完璧なディフェンスで止められた。そして残り3秒、オラディポがレブロンを抜き去ってレイアップを放ったのだが、素早く戻ったレブロンが後方からシュートを叩き落とす。

そして最後のタイムアウトを取っての攻撃、スローインを受けたレブロンは、正対するヤングをかわしながら放った3ポイントシュートをブザーとともに沈めた。98-95でキャブズが激闘を制している。

チームメートに揉みくちゃにされた後、レブロンは胸を叩いて自らのパフォーマンスを誇示。テーブルオフィシャルのテーブルに上がって、地元ファンと喜びを分かち合った。

「チームメートにはボールをくれと伝えた。レギュラーシーズン中のウルブズ戦(2月7日、レブロンの決勝点でオーバータイムを制した一戦)と似ていた。終盤に自分がブロックで相手の攻撃を封じて勝てた」とレブロンは言う。「ファンは俺の気持ちを分かってくれている。俺は15年のキャリアのうち11年をここでプレーしていて、ファンやチームメートを誇らしい気持ちにさせたい。そういうプレーをやろうと思って、うまくやることができた」

この試合のレブロンは44得点、そして勝負を決めるクラッチプレーだけでなく、苦手のフリースローを15本すべて成功させており、まさに絶好調の一日となった。

一方のペイサーズは、レギュラーシーズンに主役を演じたオラディポがキャブズの対策にハマってしまい、不振から抜け出せないままでは厳しい。プレーオフ初戦こそ32得点を挙げたオラディポだが、その後は試合を重ねるごとに調子を落としており、ここ3戦ではフィールドゴール50本中成功わずか12(24.0%)と低迷している。

これでキャブズは1回戦突破に王手をかけた。次は中1日を挟んで敵地での第6戦を迎える。