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ヒートは勝負どころで自滅、1勝4敗でシーズン終了

セブンティシクサーズとヒートのプレーオフ1回戦。ホームのシクサーズが第5戦に勝利し、地元でシリーズ勝ち抜きを決めた。

3勝1敗で迎えた第5戦、前半はシクサーズがほとんどの時間帯で僅差ながらリード。ヒートはこれまで敗れた3試合すべて、後半に運動量が落ちてシクサーズに押し切られているだけに嫌な展開だったが、実際そのとおりになった。ただ、誤算だったのは第3クォーターの後半だ。

その直前にジャスティス・ウィンズロウをフィジカルで抜き去り68-57とリードを2桁に広げる働きを見せていたベン・シモンズが、ファウルトラブルでベンチに下がる羽目に。ヒートにとっては反撃の好機だったが、意識がオフェンスに行きすぎてディフェンスが疎かになり、逆にギアを上げたシクサーズに突き放される羽目に。

シモンズ不在の時間帯、代わって入ったTJ・マッコネルがゲームメークし、マルコ・ベリネッリが鋭いカットと巧みなアシストで攻撃をリード。ヒートはこの勝負どころで個々が勝手に1対1を仕掛け、無理なタフショットを打ってはシクサーズのトランジションバスケットの餌食となった。レギュラーシーズンとは打って変わって、1点の重みが増すロースコアゲームになるプレーオフで、このミスの代償は大きい。

66-80と点差を広げられて迎えた最終クォーター、ヒートはドウェイン・ウェイドが攻撃を引っ張り、点差を1桁まで詰めたのだが、残り5分半でジェームズ・ジョンソンがベリネッリの首にラリアットを見舞い、テクニカルファウルを取られて自分たちで反撃の勢いを削ぐことに。

シクサーズはこの時間帯にシュートが入らず苦しみながらも、ファウルを誘ってフリースローで10点前後のリードを守る。残り2分11秒、JJ・レディックが3ポイントシュートを沈めて100-89とリードを広げると、勝利を確信した約2万1000人のフィラデルフィアのファンは総立ちに。残り時間を拍手の中でプレーし、最終スコア104-91で勝利した。

プレーオフ1回戦の序盤2試合を欠場していたジョエル・エンビードにとってはプレーオフ初のホームゲーム。テンションの高さは明らかで、観客に向けて何度もアピールしアリーナの興奮を煽った。「素晴らしい経験だった。フィラデルフィアに感謝したい」と彼は言う。

またベン・シモンズはプレーオフでどこまで勝ち進めるかを問われると「僕たちが望んでいるところまで行けると信じている」と断言。カンファレンスファイナルか、はたまたその先か。シクサーズの勢いは本物だ。セミファイナルではセルティックスとバックスの勝者と対戦する。