八村塁

今回のパフォーマンスも勝利には結び付かず

『バブル』5連敗でプレーオフ進出の可能性が潰えたウィザーズはサンダーと対戦。主力を欠き、モチベーションまで失った状態では歯が立たず、序盤から大量ビハインドを背負って見せ場を作れないまま完敗を喫している。

立ち上がりから両チームとも速いペースでボールを運んでオフェンスを組み立てるが、クリス・ポールを中心に据えたサンダーの攻めには無駄がなく、簡単にプレッシャーをかいくぐってはダニーロ・ガリナーリ、マイク・マスカーラがフリーのシュートを確実に決めていく。一方のウィザーズはテンポこそ速いものの選手間の連係を使えず、自らタフショットを打っては外し、試合開始から2分で0-10と最悪の立ち上がりとなった。

タイムアウトを挟んで八村塁のアシストからトロイ・ブラウンJr.が3ポイントシュートを決めて初得点。続いて八村がオフェンスリバウンドを奪い、相手に囲まれた状態でゴール下のシュートを押し込む。こうしてオフェンスは動き始めたが、サンダーの攻めを止められない。サンダーのスピーディーなボールムーブを追いかけるのに必死で、フェイクには簡単に引っ掛かり、またミスマッチを的確に突かれることで、サンダーに高確率でシュートを決められた。

第2クォーター途中にも八村はオフェンスリバウンドに飛び込み、フィジカルで押し勝ってゴール下での得点を決め、ハードワークとフィジカルの強さを見せるが、なかなか良い形でパスを受けられず、攻撃の組み立てにも上手く絡めなかった。オフェンスリバウンドを押し込んだシーンも、その直後にピック&ポップでアウトサイドに引いたガリナーリの動きを見失い、フリーで3ポイントシュートを打たれるなど、良いシーンがあっても単発だった。

前半を終えて48-64と16点差。個々の奮闘はあるもののチームとして噛み合わないため大きな流れには至らず、立ち上がりに背負った2桁のビハインドを返せないまま時間は進む。

八村は第3クォーター残り1分半の時点で11得点8リバウンド1アシストを記録。15点差で始まった第4クォーターには出場しなかった。シュートだけでなくリバウンドにも積極的に絡み、リバウンドでは不利と見れば自分で取りに行くのではなく味方へと弾いてボールを繋ごうと、アグレッシブかつハードに戦う姿勢を見せたのだが、今回のパフォーマンスも勝利には結び付かなかった。

最終スコアは103-121。サンダーにとっては常にセーフティーリードを保つ快勝だった。八村を筆頭にウィザーズの若い選手は相手に食らい付いたが、サンダーもハードワークに自信を持つチーム。そこにクリス・ポールが個々のハードワークを繋ぎ、チームとしての流れを作り出していた。フィールドゴール成功率はウィザーズの41.3%に対し51.2%、3ポイントシュート成功率はウィザーズの25%に対し46.2%と確率で圧倒。ここまで差が付いたのは個々の選手のシュートタッチではなく、いかにサンダーが効率良くフィニッシュに持ち込んでいたかを示している。

ウィザーズはこれで6連敗。指揮官のスコット・ブルックスは「全員が勝つことだけを意識している。負け続けているが、学んで成長し、正しい習慣を身に着けていく。それが我々がやらなければいけないことだ」と語る。残るはバックス、セルティックスとの2試合。ウィザーズはどんな内容と結果でシーズンを締めくくることができるだろうか。