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スティーブ・カーは「気持ちの切り替えが重要」と指摘

左ひざの負傷で3月23日から欠場を続けているステフィン・カリーは、スパーズとのプレーオフ1回戦を全試合欠場する。カリーは4月14日に再検査を受ける予定で、復帰時期が早まる可能性は残されているものの、ヘッドコーチのスティーブ・カーは、現時点で状況に変化は見られないと話している。

2連覇を目指す王者ウォリアーズは、1回戦で難敵スパーズと対戦する。今シーズンはエースのカワイ・レナードの離脱により、20年続いたプレーオフ連続出場記録が途絶える危険性もあったが、最終的には西カンファレンス7位に滑り込んだ。

例年よりも勝率が低いとはいえ、スパーズを甘く見ると痛い目に遭う。最大の強みは、レギュラーシーズン終盤を引っ張ったラマーカス・オルドリッジを始め、経験豊富なベテランが多く揃っていること。トニー・パーカー、マヌ・ジノビリ、パウ・ガソル、ダニー・グリーン、パティ・ミルズら優勝経験者だけではなく、セカンドユニットで存在感を発揮しているルディ・ゲイという曲者もいる。

スパーズは間違いなくこの1回戦に照準を絞ってくる。短期決戦を勝ち抜く心得を知っているポポビッチは、カリー不在から派生する弱点を確実に突いてくるはずだ。

そのウォリアーズで司令塔を務めるのは、新人のクイン・クック。今シーズン開幕を2ウェイ契約選手として迎えたが、カリー不在後に結果を残し、晴れて複数年契約を結んだ。クックは、今シーズン33試合に出場して平均9.5得点、2.5リバウンド、2.7アシスト、フィールドゴール成功率48.4%、3ポイントシュート成功率44.2%を記録。1年目ながらプレーから落ち着きも見られ、プレッシャーにも対応している。

カリー不在となったレギュラーシーズン最後の10試合でウォリアーズは4勝6敗と負け越した。すでに西カンファレンス2位を確定させていたとはいえ、ジャズとの最終戦で40点差(79-119)での大敗を喫するなど、王者らしからぬ醜態を晒してもいる。

これはカリー不在の穴というより、チームとしての姿勢の問題。カーはジャズ戦を終えて選手に休養を与え、「戦うスピリット、勢い、プレーする楽しさを取り戻す必要がある。気持ちの部分を正さないといけない」と、気持ちの切り替えの重要性を説いた。

カリーを欠いても、クレイ・トンプソン、ケビン・デュラント、ドレイモンド・グリーンとタレントに不足はない。だが、昨シーズンのような『無双』状態にはならないのではないだろうか。指揮官が指摘するように「戦うスピリット」や「プレーする楽しさ」を欠くことは、カリー不在以上に大きい。ここを解消しないままでは、アップセットが起こったとしても不思議ではない。