ジョナサン・アイザック

チームは快勝も選手たちは悲痛「再発するのを見るのは辛い」

NBA再開初戦で『Black Lives Matter』シャツの着用と国歌斉唱中の片膝立ちを拒否したことで話題になったマジックのジョナサン・アイザックがキングス戦で左足を負傷し、途中退場となった。

アイザックが足を負傷したのは第4クォーターの残り9分19秒。ドライブで2人のディフェンダーの間を抜けシュートしようとジャンプした直後、空中で苦悶の表情を浮かべそのままフロアに倒れ込み、左膝を抱えた。メディカルスタッフが駆け寄り状態を確認した後、マジックのバスケットボール運営部門代表、ジェフ・ウェルトマンが押す車いすに乗せられ、アイザックは両手で頭を抱えながらコートを後にした。

マジックのヘッドコーチ、スティーブ・クリフォードは試合後アイザックのケガについて「希望は捨てないようにする。深刻そうに見えたことは間違いない。報告を受けるまでは希望は捨てない」と語ったが、ESPNによれば、左ひざ前十字靭帯断裂であることが判明したという。

試合は132-116でマジックの圧勝だったが、アイザックが退場した後のベンチは静まり返っていた。エースのアーロン・ゴードンはチームメートのケガを目の当たりにし涙を流した。「タフだった。アイザックが負傷して涙が出たよ。彼がどれだけ素晴らしい奴か、どれだけハードワークしているか、ケガから復帰するためにどれだけ頑張ってきたかを知っているからね」

対戦相手だったキングスのハリー・ジャイルズ三世はアイザックが車いすでコートを離れる前に声をかけた。ジャイルズ三世は高校時代に両膝の前十字靭帯を断裂し、デューク大入学前に左膝の手術を受けた経験がある。「明るく前向きにと伝えた。僕はああいうケガの大変さを知っているから見たくないんだ。ケガについて話すのも嫌だ。リハビリを続けてきて、今日も膝にサポーターを付けてプレーしていたのに運が悪かったとしか言えない。ケガを再発するのを見るのは辛い」

マジックはバブルでのリーグ再開後2連勝と好調なスタートを切ったが、アイザックを失ったことはチームの長期的なプランにも影響を与えるかもしれない。今年3年目のアイザックはルーキーイヤーも足首の捻挫で27試合しか出場していない。球団はケガの回復を優先し出場時間を制限しながら育成に時間をかけてきたが、今回のケガによってプラン変更は避けられない。