山下泰弘『福岡をB1へ』実現の覚悟(後編)「カッコ良く優勝して昇格決定を」

2018/04/06
Bリーグ&国内
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取材・写真=古後登志夫 構成=鈴木健一郎

ライジングゼファーフクオカは40勝9敗でB2西地区の首位を快走しており、リーグから来シーズンのB1ライセンス交付も認められた。Bリーグ立ち上げに伴い、3部のB3からのスタートを強いられた福岡だが、このまま行けば2年連続の昇格でトップカテゴリーに参戦することになる。

山下泰弘は地元チームを昇格に導くため、2年前にNBL優勝を果たした川崎ブレイブサンダースから福岡にやって来たポイントカード。キャプテンとして、司令塔としてチームを引っ張ってきた。B1昇格が現実的に視野に入ってきた今、悲願達成への覚悟、そして連続昇格の先にあるB1での戦いについて聞いた。

山下泰弘『福岡をB1へ』実現の覚悟(前編)「こういうレベルでバスケをしたい」

「昇格しても1年で落ちたら意味がない」

──B1では昇格組の島根と西宮が大苦戦し、他のチームから取り残されているのが現状です。福岡もこのままでは来シーズン同じことになるリスクがあると感じますか?

B1との差は確かにあって、このまま上がっても島根さんや西宮さんと同じことになる可能性が十分あります。福岡という街を盛り上げるという意味で、昇格すれば盛り上がるかもしれませんが、1年で落ちたら意味がありません。そこは選手だけでなく集団としても強くなりたいです。

──球団としては社長の交代がありました。チームに何か変化はありますか?

現場には劇的な変化はなく、今までと変わらずのスタイルでやらせてもらっています。B1のチームを見た時に、千葉さんや琉球さんなど、その地域が盛り上がっての強さがあります。千葉さんはチームがまだ弱かった時期から球団がしっかりしていて街が盛り上がっていたのを見てきました。レバンガさんも成績が良くない時期お客さんが入っていました。そこは選手とフロントと一緒に盛り上げて、B1に向けて強くなっていかないと、たとえ昇格しても単発の強さや盛り上がりにしかなりません。

究極で言えば、福岡にはソフトバンクホークスさんがいますから。ホークスも下積みの時代にいろんな苦労をしてビッグクラブになりました。ライジングもそれを真似したいです。

以前に所属した川崎の変化にも興味を持って見ています。もともとは企業チームで情報発信もあまりしなかったし、集客で頑張るチームでもなく、従業員の方が来てくれたらいいや、というスタンスでした。それがこの1、2年ですごく変わって、今ではSNSも広報もすごく頑張り、新規のファンもすごく増えています。やっぱり、やり方次第なんだなと思います。川崎がこの短い期間で変われたのだから、福岡にもチャンスはあるはずです。これだけ地元選手が戻ってチームも結果を出していて、ここで頑張れないと厳しくなるのかなと思います。

「言い訳をせず、誰が出ても勝つ。それが僕らの強さ」

──東芝を出て3部スタートの地元チームに戻って来ました。それは使命感によるものですか?

自分も小林(大祐)選手も、葛藤がある中で覚悟を決めて福岡に来ました。移籍して1年か2年やって「やっぱりダメでした」では僕たちも後がないですし、いろんなものを捨てて入ってきているので。責任感というよりは「何があっても絶対にやってやる」という覚悟ですね。

──年齢的なこともあり、どこかで焦りも出たのでは?

焦りというより「まだまだダメだな」という向上心ですね。「B2なんかチョロい」とか「このままB1も行ける」なんて気持ちは一切ないです。個人のプレーもチームのプレーも、何一つ満足できていないです。有言実行するんだという強い気持ちで集まって来たメンバーなので、その覚悟で残りの試合も戦っていきます。

──福岡はB3からの昇格組で、すべての条件で恵まれていたわけではありません。それでも、きっちり結果を出しています。どんな部分が成功の要因となっているのでしょうか?

組織として強くなっていく姿勢を崩さず、チーム一丸となって続けられていることです。誰かがケガをして、戻って来たらまた誰かがケガをする状況で、シーズンを通してベストメンバーで戦えていない中でのこの成績ですから、これはすごく良いことです。ヘッドコーチがうまくまとめてくれて、チームとして戦えている印象があります。

今日もエリック(ジェイコブセン)がファウルトラブルでほとんどプレーしていないのに秋田さんに勝ちました。「今日は誰々がケガをしていたから」なんて言い訳をせず、誰が出ても勝つ。それが僕らの強さであり、もっと追求していかなければいけないところです。

「福岡のバスケの完成形をプレーオフで見せたい」

──この後にはプレーオフがあります。少し早いですが、どんな意気込みで臨みますか?

まずはレギュラーシーズンの残りの試合を大事に戦うことです。組み合わせがどうなるかは分かりませんが、相手に関係なく僕たちのバスケットをもっともっと追求して固めて、今日や熊本さんとの2戦目のような真っ向勝負でも勝てるように、かつチームとしてスマートにやっていけるように。プレーオフは短期決戦なので、その時の調子だったりレフェリーのジャッジの加減などがあります。その中でチームとしてアジャストして、エースが不調だったり万全でない選手がいてもチームでカバーして戦っていきたいと思います。

未完成のチームではありますが、プレーオフに向けてラストスパートをかけたい気持ちはすごくあります。福岡らしいバスケットとは何か、それの完成形をプレーオフで見せたいです。もちろん目指すところはB2優勝なので、カッコ良く優勝して昇格を決めたいです。