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「誰よりも分別があり、それに誰よりも優しい」

キャリア13年目にして過去最高のシーズンを送っているルー・ウィリアムズ。今シーズン開幕前にロケッツからクリッパーズにトレードされると、主にベンチからの起用が多い中、キャリアハイの22.7得点を記録し、リーディングスコアラーとして活躍している。

今シーズンのシックスマン賞最有力候補のウィリアムズは、これまでのキャリアでセブンティシクサーズ、ホークス、ラプターズ、レイカーズ、ロケッツ、クリッパーズと渡り歩いたジャーニーマンだ。行く先々で与えられる役割をこなす生活に慣れていたとしても、複数年契約を得て安定したキャリアを送りたいのが本音だろう。

そういう心境になっていたであろう2014-15シーズン、ラプターズに所属したウィリアムズはデマー・デローザンの優しさに触れた。当時のことを『GQ』のインタビューで振り返っている。

「これまでに一緒にプレーした中で最高のチームメートがデマー・デローザンだ。誰よりも分別があり、それに誰よりも優しい」とコメント。「トロント時代は、自分のキャリアについて迷うところも多かった。そんな時、デマーとカイル(ラウリー)が自分を支えてくれた。彼らには感謝しているんだ」

デローザンといえば、普段は物静かで、自分の世界を大事にする性格。今でこそ阿吽の呼吸の相棒ラウリーとも、打ち解けるまでに数年かかったと本人が告白したほど。そのデローザンが、わずか1年しかチームに在籍しなかったウィリアムズには親身に接していたというのだから、驚かされる。

デローザンとラウリーに支えられたウィリアムズは、2015年にレイカーズと契約し、ロケッツを経てクリッパーズに移籍。クリッパーズでの活躍が認められ、今年2月、チームと複数年の契約延長を勝ち取った。

31歳にしてもなお進化を続けているバスケットボール選手としての才能を含め、デローザンはウィリアムズの人間性の素晴らしさも分かっていたのだろう。もし「過去最高のチームメートは誰?」という質問をデローザンに投げかけたら、彼はラウリーとウィリアムズの2択で悩むかもしれない。