ユスフ・ヌルキッチ

シーズン中断も重なり「長い長い旅だった」

トレイルブレイザーズのスクリメージ(練習試合)初戦はペイサーズが相手。結果は88-91での敗戦だったが、ユスフ・ヌルキッチが長期離脱から復帰して、20分のプレーで14得点8リバウンドとブランクを感じさせないプレーを見せたのは大きな収穫だ。

試合開始から40秒、デイミアン・リラードからのパスを受け取ったヌルキッチはポストムーブでジャカール・サンプソンを押し込んでチーム初得点を記録。昨年3月下旬に左足の開放骨折という重傷を負い、回復には1年を要した。ようやく復帰が秒読みとなったところで新型コロナウイルスの感染拡大によりシーズンは中断。ただの練習試合ではあるが、彼にとっては待ちに待った実戦復帰で、久々の得点は感慨深いものがあったはずだ。

それでも彼にとってのハイライトは試合が始まる時、ジャンプボールでボールに触れた瞬間だった。「僕にとって本当の出発点だった。あそこから上手く試合の流れに乗ることができたよ」と彼は言う。

3月の時点でケガは100%完治したと彼自身が明言しており、実戦復帰のための準備も万全だった。それから4カ月半、「長い長い旅だったけど、ようやく戻って来ることができた」と彼は言う。

ケガの影響は全く感じさせなかった。ここから試合勘を取り戻すことでパフォーマンスはさらに上がるはず。ただヌルキッチは「調子は良いんだけど、久々すぎて疲れたよ」とボヤきながらも笑顔を見せた。

ブレイザーズでは肩のケガでシーズン序盤にしかプレーできていなかったザック・コリンズも先発出場で復帰。こちらも6得点4リバウンドと上々の復帰戦となった。

一方のペイサーズではビクター・オラディポが先発出場。2019年1月に右足大腿四頭筋腱断裂の大ケガを負い、今年1月末に復帰したものの調子が上がらないままシーズン中断を迎えていた。ケガの影響がまだ残り、コンディションが万全でないことから『バブル』でのシーズン再開には加わらない意向を示していたものの、その後に復調したとしてチームに帯同している。ブレイザーズ相手には19分で8得点、フィールドゴール10本中3本成功とまだ感覚を確かめる段階。彼自身もシーズン再開でプレーするかどうか、結論はまだ下していない。

あと1週間でどこまでコンディションを高め、試合勘を取り戻すか。彼らの戦いはすでに始まっている。