文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

ビッグマンが走る千葉のバスケットが機能

レバンガ北海道が千葉ジェッツを北海きたえーるに迎えた第2戦。前夜の第1戦はシーズン最多の103失点を喫する完敗、今日の第2戦はそれを上回る106失点を喫しての痛い連敗となった。

勝負は立ち上がりで決したと言っていい。帰化選手のマイケル・パーカーを擁する千葉が有利なオン・ザ・コート「1」の第1クォーター、北海道は前日の関野剛平から松島良豪へスタメンを変更し、多嶋朝飛との2ガードで主導権を握ろうとするが、これが思うように機能せず。ギャビン・エドワーズ、アキ・チェンバース、パーカーが走り、さらには小野龍猛がポストプレーで変化を付ける千葉のバスケットに対応できない。

打ち合いになっては千葉の勢いを止められない。北海道は第1クォーターからタイムアウトを2回使って立て直しを図るもうまくいかず、途中で0-13のランを浴びて10-31と大差を付けられた。オン・ザ・コート「2」の第2クォーターになってマーク・トラソリーニとディジョン・トンプソンを併用できるようになり持ち直すも、押し返すには至らない。

第3クォーター終盤にパーカーがファウルトラブルとなり、北海道に付け入る隙が生まれたかに見えたが、控えビッグマンの荒尾岳が安定したプレーで綻びを見せない。ようやく反撃が始まったのは54-75でスタートした第4クォーターから。松島がインサイドにカットインするトンプソンやトラソリーニに合わせる攻めで得点のペースが上がるが、ディフェンスで千葉を止められない。得点しても、そのままアキ・チェンバースの速攻を浴びて取り返されるシーンが続き、点差を縮めることができなかった。

「もっと自分たちから仕掛けなければいけない」

千葉は20点前後のリードを保った終盤に主力を温存する余裕の試合運び。最終スコア106-88で完勝した。これで千葉は37勝12敗、アルバルク東京を上回って東地区の単独首位に立った。

エドワーズはシーズンハイの30得点、アキ・チェンバースも同じくシーズンハイの24得点と2人で総得点の半分以上を叩き出す大活躍。フィールドゴール成功率は71本中39本で55%。走り勝ってイージーシュートの機会を多く作り出したことで高確率を実現した。

北海道はスタメン変更が機能せず、フィジカルなディフェンスで止めに行ったがあっという間にファウルがかさみ、次の策を打てないまま大量ビハインドを背負った出だしの拙さが最後まで響いた。昨日が4015人、今日は4760人と多くの観客を集めたが、リーグトップクラスの強豪相手に力の差を見せ付けられる結果となってしまった。

北海道の水野宏太ヘッドコーチは「昨日の試合と同じ流れになってしまい、序盤で失点が増えてしまったことが敗因」と語る。「もっと自分たちから仕掛けなければいけないし、今までと同じことをしていても結果は変わらないので、すべてのクォーターで精度の高いプレーを突き詰めて行きたい」

今節、4位の栃木ブレックスが連勝を収めたため、ゲーム差は3に開いた。それでも次節は敵地での栃木戦。北海道にとってはチャンピオンシップ進出に向けて正念場となる。また今回は千葉に連敗を喫したが、まだ4月末に2試合を残している。それまでにチームとしてどれだけステップアップできるか。最後の千葉との連戦は順位関係なしに、チームの成熟度が問われる。

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