文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

互いに流れを手繰り寄せ前半を同点で終える

アルバルク東京がホームの立川立飛アリーナに栃木ブレックスを迎えた。最終クォーターの勝負どころで、攻守ともに安定感抜群のプレーを披露したA東京が90-78で勝利を収めた。

ディフェンスを強みに挙げるチーム同士の戦いらしく、序盤から激しい守り合いを見せる。強度の高いディフェンスでノーマークを作らせず、タフショットを打たせ合った。5分を経過し7-6と互角の重たい展開となったが、第1クォーター終盤には互いに3ポイントシュートを連続で成功させスコアが動き出す。

第2クォーターに入るとスペースを巧みに使うA東京が安藤誓哉、ザック・バランスキーの連続3ポイントシュートで28-18と主導権を握った。だが残り5分55秒、ジャワッド・ウィリアムズが遠藤祐亮を引っ張り、アンスポーツマンライクファウルをコールされると流れが一変。遠藤は2本のフリースローを成功させ、続くポゼッションでもドライブから得点。ライアン・ロシターが3点プレーとなるバスケット・カウントを沈めて一気に28-28と同点に追いついた。

勝負どころで栃木ディフェンスを攻略したA東京

39-39で迎えた後半開始早々、A東京が走る。安藤と田中大貴がアウトサイドシュートを沈めると、喜多川修平のターンオーバーから菊地祥平が両チーム通じて初となる速攻につなげ、9-0のランで抜け出した。

栃木はタイムアウトを取り、喜多川と遠藤の高確率な3ポイントシュートで立て直す。だが鵤誠司のプッシングがアンスポーツマンライクファウルと判定されるなど波に乗れず、竹内譲次に2本の3ポイントシュートを含む12得点をこのクォーターだけで許し、点差を縮められなかった。

栃木が7点差を追う最終クォーター、残り6分でここまで15得点を挙げ攻守で目立っていた遠藤が4つ目のファウルを犯しベンチに下がると、A東京がこの隙を逃さずに突く。田中大貴が「勝負どころを見極めて、良い判断をしないといけない」と試合後に語ったように、ここでディフェンスを引きつけてトラップの逆手を取り、オフェンス優位な状況を次々と作り出していった。小島元基の2本のミドルシュートやザック・バランスキーの3ポイントシュートなど、セカンドユニットでも力が落ちないA東京はリードを広げていく。

栃木はディフェンスを崩されたことでオフェンスのリズムも失い、単発なシュートが続いた。残り3分で10点のビハインドを背負った栃木は遠藤をコートに戻すが、流れを変えるには至らない。A東京は試合を通してターンオーバーわずか2。安定感で上回り、勝負どころで突き放す完勝だった。

「しっかり訓練されている、強いチーム」

勝利したA東京のルカ・パヴィチェヴィッチは「90点取れたオフェンスは非常に良かった」と語る一方で「我々はディフェンスのチーム。簡単にワイドオープンの3ポイントシュートを与えたり、バックドアやレイアップをされました。コンスタントにディフェンスができていないことは事実です。もう一度ディフェンスを締め直したい」と課題も挙げた。

「良いスペースを取ってくれてクリエイトする側もやりやすいです。マークが寄って自分が強引に行くんじゃなくて、ノーマークで打つシュートのほうが確率が高い」と田中は栃木ディフェンスを攻略した終盤のオフェンスを振り返った。

粘りを見せるものの、栃木は終盤に力尽きた。栃木の安齋竜三ヘッドコーチは「A東京はディフェンスの強度が全然下がらない。身体のぶつかり合いとかで削られた体力が、後々の自分たちのオフェンスにもつながってきました。そういうところでしっかり訓練されている、強いチームだなと思います」とA東京の強さを再認識した。

また栃木はジェフ・ギブスの欠場が少なからず響いたが「復帰してからハードな日程が続いていたので、無理をさせたくない。再発することを回避した」と説明した。

水曜日のナイトゲームにもかかわらず、チケットは完売。注目度の高い試合を制したA東京は、東地区首位をキープした。一方、栃木は痛い敗戦。それでも試合内容は決して悪くなく、安齋コーチも「次の渋谷戦につながる試合だったと思います」と前を向いた。